 |
おいしい魚がリーズナブルな値段で味わえる店として、知る人ぞ知る「おまつり本舗」。五反田駅西口から徒歩2分の目黒川沿いの地にオープンして15年目。天然物を求め、むつ湾に面した青森・野辺地町出身の店主、荻野哲夫さん(43)自ら年間80日は釣りに出ます。
|
|
そして、旬の魚はもちろん、市場やスーパーなどでほとんど目にしないような高級魚を持ち帰ります。だからこそ、船上で活き締めにし氷詰めにして保存、注文を受けてからさばく刺身やしゃぶしゃぶの切り身はまさに格別の味わいです。 |
|
日本酒好きの方ならなおのこと見逃せません。蔵元のタンクから直接取り出した生酒など特注品をはじめ、常に80種類約200本を冷蔵庫に入れ管理。焼酎の品ぞろえにも驚かされます。 |
店のコンセプトは「飲み屋」と簡潔。「うちは料理屋じゃない。酒に合わせた料理だから」。さらりと言う店主の言葉に、お酒に対するこだわりと深い愛情、お客に出す魚への自信がうかがえます。魚と日本酒談義もぜひつまみに加え、至福のひとときをお過ごし下さい。 |
|
カツオの土佐造り |
八丈島で釣れた本カツオは1匹約4キロの上物です。これを4分の1に分けた一冊を2人前として使い切るというだけあって、その量にびっくり。ポン酢のかかったカツオは、まぶしたさらし玉ネギとの相性抜群。臭みや重々しさはまったくなく、もりもり食が進みます。黒潮は周期的に大蛇行しますが、今年はそれの当たり年。その影響で、伊豆諸島まで行かないと本カツオが釣れないとのこと。幸運にありつけました。
|
|
|
ねぎ玉 |
分かりやすく言えば「ねぎ入りのだし巻き卵」のこと。卵3個を使ったボリュームある一品ですが、かつおだしで、塩を少し効かせたあっさり味。「ほとんどの方が注文される人気メニュー」(荻野店主)。 |
|
|
台湾風肉シューマイ |
合わせコショウがかかったシューマイは、ほどよく舌を刺激し、胃の働きを助けてくれます。パクチーと一緒に食べるのが、台湾風と名付られたゆえんですが、お好みでどうぞ。
|
|
|
秋サケの白子天ぷら
|
岩手の三陸沖で取れた1匹約3キロの国産サケを使用。「新鮮な素材をシンプルに食べてほしいから」(同店主)と小麦粉につけて揚げただけ。これをポン酢につけて口に運ぶと、軟らかな白子がフワッとはじけ、うま味が広がります。これぞ幸せの一瞬。核酸を多く含むサケの白子は、ガン予防に老化防止、さらにはダイエット食品としても女性に注目されています。
|
|
|
なめたけ温たま四川風 |
「もうちょっとだけお酒のつまみが欲しいな」という時にお勧めの一品。温泉卵になめたけ(エノキタケの別名)を加え、トーバンジャンに日本酒などで辛みを利かせてあります。卵の甘みと相まって、思わずはしが進む味付けです。
|
|
|
厳選お魚素材 |
お客さんにとっては、当日お勧めの魚を、時価でもっともおいしい調理法で食べられます。時価と言っても浜値同然。この日は、市場にもなかなか出ないという高級魚「アオダイ」をしゃぶしゃぶでいただきました。荻野店主らが取材日の前の週末に、八丈島で約40匹釣ってきたと言います。氷漬けにし、活きの良さを示す青みがまだ残るアオダイを1匹(約1キロ)まるごとさばいてくれました。切り身の厚さに初めは刺身かと思いました。
「料亭などに行くとだいたい1万5000円。でも、うちは自分で釣った魚だから浜値と同じ5000円。皮目がおいしいから、少し火を通してしゃぶしゃぶがお勧め」と店主。素材を判断するのに、肉はしゃぶしゃぶで食べるのが一番だと聞いたことがあるのですが、魚も同じなんだと納得した次第です。ここでも、シンプルにポン酢だけで食べます。淡泊でクセがなく絶品でした。
|
※天然もの、釣りもののお魚がメーンですので、天候や季節によって内容が異なります。 |
荻野哲夫さん(43)は、不動産開発を手がけたのち、商業店舗開発のお仕事を経て29歳でお店を始めました。「屋台村事業の本部」として現在の場所で研修店舗の運営に乗り出したのが縁で、現在はオーナーとしてお店を経営しています。小学生の時から趣味の釣りは、メダイの相模湾レコード(14キロ)を持つなど玄人はだし。今は「強い魚の引きと、食べておいしい魚を求めて」と、伊豆諸島での大物狙いへとスイッチ。お魚中心の宴会などの予約が入ると必ず海に出ます。
ずば抜けた探求心はお酒の世界でも同じです。「商品の説明ができないと失礼でしょ」。オープン当初から毎冬、新酒の勉強と直取引のあいさつを兼ねて蔵元へ。プレミア焼酎がそろうのもブームになる前から取引していた強みです。今では、山形県をはじめ蔵元からキャンペーンの店内開催を要望されるまでに。試飲会では200種(40社X5ブランドとして)、年間では2000種類もの日本酒を飲むそうです。「若い頃はガンガン飲んだよ。利き酒? 4合は飲めないとね、ちゃんとした寸評書けないよ」と笑われてしまいました。
※10月1日には「日本酒の日」のイベントあり。詳しくは公式ウエブサイト(http://opo3.hp.infoseek.co.jp/)まで。
|
|



|
 |
|
 |