F1日本GP過去の歴史

【2001年10月14日付本紙より】

ハッキネン、最後のレースでクルザードに表彰台譲る

 ◇14日◇三重・鈴鹿サーキット(1周5・859キロ×53周)◇決勝◇参加22台、完走扱い17台◇曇り◇観衆15万人

 98、99年総合王者ミカ・ハッキネン(33=マクラーレン)が、休養前の最後のレースで表彰台を譲った。5番手スタートから3位まで浮上したが、総合2位を争っていた同僚のデビッド・クルサード(30)に道を譲り、4位で終了。9シーズン所属したチームに貢献して、11年間のF1活動を締めくくった。今季王者ミハエル・シューマッハーがポール・ツー・ウインで今季9勝目を挙げ、自らが持つシーズン最多記録に並んだ。

 表彰台に上がって、花道を飾ることができた。が、ハッキネンはそうしなかった。フォア・ザ・チームに徹した。40周目に自身の最速ラップ1分37秒298を出した後、タイヤの摩耗でタイムを落とし、2位との差が広がっていた。「僕が総合優勝した時は、デビッドが助けてくれた。今度は僕が彼を助ける番」。48周後のメーンストレート。コースの右に寄り、クルサードを前に行かせた。同僚の総合2位確保を優先した。「思い通りのレースができて良かった。寂しいかって? 幸せな気分だよ」。当たり前と言わんばかりの口ぶりで、F1サーキットを去った。

 第15戦イタリアGPで、衝撃的な発表をした。「来年は休養する。6歳から走ってきたんだ。そろそろ休みたい」。イリヤ夫人と10カ月の息子ヒューゴ君と過ごす時間を増やしたかった。F1ドライバーは巡業生活。レース以外にもテスト走行やプロモーション活動で忙殺された上、昨年までの3年間は、M・シューマッハーとのタイトル争いで心身ともに疲れ果てた。

 休養を選んだ最大の理由は、チームの情報漏れ防止ともいわれている。ハッキネンを獲得したチームは、多大な恩恵を受けることは間違いない。まだトップ選手として戦える実力を持ちながら、F1界から離れる。それが9年間所属したチームへの最高の思いやりだった。

 「チームスタッフ、エンジニア、家族…。僕を成功させてくれたみんなに感謝したい。いい思い出ばかりだ」。M・シューマッハーと対等に戦い続けた名ドライバーは、03年復帰の可能性を残しながらも、ステアリングを置いた。


M・シューマッハー自己最多タイの9勝目

 2年連続4度目の総合優勝を決めているM・シューマッハーが、最終戦でも主役を演じ切った。今季9勝で、92年にマンセル、95、00年に自身が記録したシーズン最多記録に並んだ。

 さらに通算ポイント数を801に伸ばし、アラン・プロストの持つ最多記録798・5を塗り替えた。「シーズンを完ぺきな形で終えることができた。レースは、序盤から後続との差が広がったので、驚いた」。スタート後わずか3周で、2位モントーヤに8秒差をつけていた。通算勝利数も前人未到の53勝目。フェラーリとの契約は04年まであり、黄金時代が終わる気配はない。

(写真=1周目からトップに立ったミハエル・シューマッハーは、余裕のガッツポーズでチェックを受ける。)


ホンダ8位のトゥルーリが最高

 ホンダエンジンの最高位はトゥルーリ(ジョーダン)の8位で、トップから1周遅れの屈辱だった。製造者ランクでも、17点のBARが5位、17点のジョーダンが6位。ホンダがF1に復帰した昨年と同様に、中位グループからの脱出は果たせなかった。西沢ディレクターは「今年の目標だった優勝は果たせなかった。来年こそ…」と話し、エンジンを載せる車体の開発に期待を寄せた。


ホンダ8位のトゥルーリが最高

 ホンダエンジンの最高位はトゥルーリ(ジョーダン)の8位で、トップから1周遅れの屈辱だった。製造者ランクでも、17点のBARが5位、17点のジョーダンが6位。ホンダがF1に復帰した昨年と同様に、中位グループからの脱出は果たせなかった。西沢ディレクターは「今年の目標だった優勝は果たせなかった。来年こそ…」と話し、エンジンを載せる車体の開発に期待を寄せた。


アレジ完走できず

 今季限りでF1から引退するジャン・アレジ(ジョーダン)は、シーズン全戦完走を果たせなかった。6周目に前方を走っていたライコネン(ザウバー)がスピン。2台が絡み合うようにクラッシュし、壁に当たった。アレジはマシンを降りると、ライコネンの無事を確認して握手。「彼を傷つけないで良かった。寂しい最終戦になったけど、これがモータースポーツ」。元女優の久美子夫人は「今まで応援してくれたファンのみなさんに感謝したい」と話し、パドックに戻って来た夫と抱き合った。

(写真=2人で食事をとるアレジと後藤久美子夫人)


順位 車番 ドライバー チーム・エンジン タイム
1 1 M・シューマッハー フェラーリ 1時間27分33秒298
2 6 モントーヤ ウィリアムズBMW 1時間27分36秒452
3 4 クルサード マクラーレン・メルセデス 1時間27分56秒560
4 3 ハッキネン マクラーレン・メルセデス 1時間28分08秒837
5 2 バリチェロ フェラーリ 1時間28分09秒842
6 5 R・シューマッハー ウィリアムズBMW 1時間28分10秒420
7 8 バトン ベネトン・ルノー 1時間29分10秒400
8 11 トゥルーリ ジョーダン・ホンダ 1周遅れ
9 16 ハイドフェルト ザウバー・ペトロナス
10 10 ビルヌーブ BARホンダ
11 21 アロンソ ミナルディ・ヨーロピアン
12 22 フレンツェン プロスト・エイサー
13 9 パニス BARホンダ 2周遅れ
14 15 ベルノルディ アロウズ・アジアテック
15 14 フェルスタッペン アロウズ・アジアテック
16 20 ユーン ミナルディ・ヨーロピアン 3周遅れ
17 7 フィジケラ ベネトン・ルノー 6周遅れ
  19 デラロサ ジャガー・フォード 46周目リタイア
  23 エンゲ プロスト・エイサー 43周目リタイア
  18 アーバイン ジャガー・フォード 25周目リタイア
  17 ライコネン ザウバー・ペトロナス 6周目リタイア
  12 アレジ ジョーダン・ホンダ
1位の平均時速は212.664キロ。
最速ラップはR・シューマッハーの1分36秒944(46周目)。


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