パラ陸上の世界選手権(ロンドン)男子400メートルと1500メートル(車いすT52)金メダルの佐藤友祈(27=WORLD-AC)が25日、羽田空港に帰国し、800メートルに挑戦する意向を示した。

 競技人口の減少などにより20年東京パラリンピックではこの2種目が除外される可能性がある。国際パラリンピック委員会(IPC)が4月に提案した男女166種目には含まれておらず、9月に正式な種目数が発表される予定。除外された場合、同クラスでは100メートルか800メートルの選択となる。2冠の佐藤は「選手にはどうも出来ない…。残った種目でやるしかない。現状のタイムだと100メートルはメダルに絡めないと思うので、800メートルのみで金メダルを狙う」と話した。

 リオ大会では2種目ともライバルのマーティン(米国)に惜敗し、銀メダルに終わった。今大会はそのリベンジでもあった。「記録よりもメダルの色にこだわった。課題のスタートから全体的に良く、イメージ通りだった。マーティンに2勝出来たことは、大きな自信になった」と満足げに語った。

 日本は過去最多となる計16個のメダルを獲得。有力選手が出場を回避した種目もあったが、金2、銀5、銅9と成果を上げた。その中の金メダル2個は佐藤が獲得したもので、圧倒的な存在感を示した。佐藤は言う。「3年後、例え、出場種目が変わったとしてもチームを引っ張りたい。1年1年結果にこだわって、万全の状態で東京大会を迎えたい」。パラ陸上界のエースは既に先を見据えていた。