千葉県成田市は11日、8月24日に開幕する東京パラリンピックに向けて共生応援プロジェクト「PARA Beats!勇気を奏でよう。A celebration for para athletes.」を開催する。

千葉県は緊急事態宣言の延長が続いており、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の女性差別発言で大会への逆風も強くなっているが、小泉一成市長は「この共生社会を推進するイベントを開催することにより、少しでも皆様に勇気と希望を与えられることを願っております」とコメントした。

同市は共生社会の取り組みが進んでいるアイルランドのパラリンピック委員会(PI)と事前キャンプ地の協定を結んでおり、同国の陸上、水泳などのパラリンピック代表選手、スタッフら50人を受け入れる。この機会を生かし、宿泊施設の客室や共用部分のバリアフリー化など、車いす利用者や高齢者などにやさしいユニバーサルデザインを積極的に推進している。

11日のイベントは成田国際文化会館大ホールで午後5時から開催される。第1部は日本パラリンピック委員会の河合純一委員長らによるシンポジウムが行われ、第2部はアイルランドの伝統楽器アイリッシュ・ブズーキの第一人者でケイト・ブッシュらのプロデューサーでもあるドナル・ラニー氏と太鼓ミュージシャンの林田ひろゆき氏がコラボして作曲したパラアスリートへの応援曲「PARA Beats!-Ireland and Narita in Harmony」を、リモートをつないだコンサートで披露する。両国の障がい者音楽ユニットも参加する。

「このプロジェクトが共生社会への取り組みの一歩だと聞いたとき、音楽は国境を越え、地球上すべての人を純粋なレベルでつなぎ、結びつける芸術形態であることを思い出し、ミュージシャンになれたのは幸運だと思いました」とラニー氏。世界中が困難な状況に直面している中、あえて東京大会のレガシーとして共生社会化を目指す同市の取り組みを発信する。

当日は会場のほか、YouTube(https://bit.ly/PARA_Beat)でも配信される。