【かなだいを支えた人たち〈4〉】村元の姉小月さん、不安抱えタイに来た妹の心を包む

フィギュアスケートのアイスダンスで日本勢最高タイとなる世界選手権11位と躍進した村元哉中(30)高橋大輔(37)組が5月1日、競技生活からの引退を表明しました。

一夜明けた2日には記者会見で思いを語り、今後はプロスケーターとなり「かなだい」としての活動も継続する意向を示しました。

日刊スポーツ・プレミアムでは「かなだいを支えた人たち」と題し、2人を支えた人物の思いを取り上げます。

第4回は哉中の姉で、現在は木下アカデミーでコーチを務める小月(さつき)さん(33)の言葉をお届けします(敬称略)。

フィギュア

3月25日世界選手権、FDの演技を終え抱き合う2人。村元の姉小月も会場で見守り「すごいなぁって感動しました」

3月25日世界選手権、FDの演技を終え抱き合う2人。村元の姉小月も会場で見守り「すごいなぁって感動しました」

「ライバルと思ってもらえたみたいですね」

予感はしていた。

小月はいつの日か、妹から「これが最後の世界選手権になるかもしれない。そこまではやりたいな」と聞いていた。

はっきりとした言い方ではなかった。でも、姉には伝わっていた。

「哉中を見ながら、世界選手権が最後になるだろうと感じることがありました」

2023年3月25日。さいたまスーパーアリーナでの世界選手権。

予感していたからこそ、最後になるかもしれない演技を、会場で見届けた。

フリーダンス(FD)の「オペラ座の怪人」。

いつもは「どこで失敗するかな」と不安だった。

この日は違った。安心した思いで見ることができた。

「今回は最後まで失敗しないでやってくれるだろうという気持ちでした」

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岐阜県不破郡垂井町出身。2022年4月入社。同年夏の高校野球取材では西東京を担当。同年10月からスポーツ部(野球以外の担当)所属。
中学時代は軟式野球部で“ショート”を守ったが、高校では演劇部という異色の経歴。大学時代に結成したカーリングチームでは“セカンド”を務めるも、ドローショットに難がある。