競輪、楽しんでいますか? 

9日の青森F1で、ベテラン・内藤宣彦(52=秋田)が史上最年長S級優勝を飾った。これまで西川親幸(熊本、引退)が持っていた52歳4カ月22日を約半月塗り替える52歳5カ月7日での記録達成。落車、失格などアクシデントレースではあったが、先行した渡辺一成を3番手(前が落車したため最終的には離れた番手)からゴール前で差し切り、文句なしの優勝だった。

史上最高齢S級優勝を飾った内藤宣彦(写真は準決快勝後、撮影・栗田文人)
史上最高齢S級優勝を飾った内藤宣彦(写真は準決快勝後、撮影・栗田文人)

内藤は「落車などがあったので、手放しでは喜べないが」と前置きした上で、「今月以降はいつ優勝しても記録だということは知っていました。ただ、今回はメンバー的にちょっと(優勝は)難しいかな、とも。自分でも信じられない。名前が残ったことはうれしい」と控えめに喜びを語った。

今開催は予選スタートだっただけに、なおさら3連勝での偉業達成が光る。今回は地元戦でもあり、内々では「優勝を狙う」と静かに闘志を燃やしていたとも聞く。デビュー23年目。同期で同じ北日本には金古将人、高谷雅彦といったG1で名をはせたスターがいるが、内藤はコツコツと地道に実績を積んできた印象が強い。「一生懸命やってきて良かった。練習を見てくれる嫁さんと毎年、冬季移動でお世話になっている宮倉(勇=千葉)さんのグループ(「真勇会」)のみんなに伝えたい」と続けた。

宮倉は佐世保出走中でコメントが取れなかったが、その弟子の小埜正義は「おめでとうございます! すごいですよね」と祝福。「いつも一緒に練習していますが、レースや練習に対する姿勢、取り組み方や考え方など、いろいろ教わっています。お手本の1人です」と絶賛していた。

一方、競輪学校(現養成所)の同期で同部屋だった在校N0・1の清水敏一(群馬、引退)は辛口? で祝福する。

「そうですか。練習嫌いなアイツが今なおS級で、しかも最年長優勝とは…。どれだけ筋肉を取っておいたんでしょうかね?(笑い)」

そして真顔に戻ると「とはいえ、努力したんでしょうね。落車を避けて渡辺一成を差すとはお見事! 心からおめでとう!」とたたえていた。

今後の目標について、内藤は「僕の記録は志智(俊夫=50、岐阜)や香川(雄介=49、香川)たちがすぐに超えていくでしょうね。でも、自分でも自分の記録を塗り替えるように頑張ります」と言う。競輪場のない秋田出身ならではの番組上のハンディなど、ここまで決して楽な道のりではなかったことは、想像に難くない。厳しい選手生活で培われた根性、諦めない気持ちで、さらなる高みを目指してほしい。頑張れ、そして、おめでとう! 【栗田文人】

「真勇会」メンバー。前列左から2人目が宮倉勇、4人目が内藤宣彦、後列中が小埜正義(宮倉勇提供)
「真勇会」メンバー。前列左から2人目が宮倉勇、4人目が内藤宣彦、後列中が小埜正義(宮倉勇提供)