競輪の17年度の売り上げが先日発表された。前年度比100・9%と4年連続で前年度を上回った。

 売り上げ増といわれても全く実感がないのが素直な印象だが、これを支えているのは前年度比130・3%を記録したミッドナイト競輪と、同115・2%のモーニング競輪だ。前記2つのおかげで辛うじてプラス収益を出してはいるが、抜本的な改革には至っていない。実際、G3以上のグレードレースはほとんどの場で前年度比マイナスを計上。本年度に入ってもG3の低迷は続き、5月のG1日本選手権(平塚)では、目標155億円に対して、約136億円(前年比93%)の大惨敗だった。

 売り上げ回復の決定的な妙案はなかなかない。そんな中でヒントになるとすれば、年間20兆円を超える売上額を誇るパチンコ業界にある。最近は従来の4円パチンコから1円パチンコが活況と聞く。見返りは少なくなるが、投資金が少なく、長い時間遊べることで、集客性は高い。

 競輪もこれに習って100円単位の車券から10円単位(または50円単位)を検討してはどうだろうか。競輪の関係団体に問い合わせると「法律的には問題はないが、現状では施行者間の条例に引っかかる」との回答があった。

 ただ、公営大井競馬では一部のネット投票で50円馬券が発売されているし、そう大きな問題ではない。その他、システム改良の費用や、購買単価が減るという懸念もあるが、売り上げの約75%を占める3連単(9車立てで504通り)を100円単位で買うと、なかなか当たらないし、投資金額もかさむが、10円、50円単位なら気軽さも手伝って新規ファンの開拓にもつながる可能性がある。まずは条例を改正して、やれるところから新たな1歩を踏み出してほしい。