下河誉史(36=福岡)のツイッターはファンによく知られた存在で、多くのファンを持っていた。ところが、そのアカウントをなぜか突如削除。理由を尋ねた。

「僕は飽き性なので、当初から、1年限定でやろうと思って始めたんですが、自分の想像以上に反響があって、うれしかったし驚きました。いま現在は、予定の1年が経過したのでツイッターを辞めましたが、もし“シモガー(下河誉史)”の復活を待っている声が聞こえてくれば、また始めることもあるかもしれません」と言う。

序章は予定に従い終末を迎えたが、ファンの声次第では「第2章を構想中」と新情報を提供する。

その下河はスコーピオンターンであまりにも有名。今節は、同支部の江夏満と同じあっせんのため、ダブルスコーピオン、『さそりの双頭』が見られることをファンも期待したかもしれない。下河がスコーピオンを繰り出すのはどういうときか尋ねた。

「今節のようにセッティングが合っていないときはやりません。ですからやっていない節は、調子が悪いと判断してもらっていいと思います」。

「あのターンはスピードを求めたターンではありません。旋回後期(ターンの出口)の出足をかせぐためにやっています。舟底面を押し込んで、波をつぶすために行っています。ピット離れの感じをイメージしてもらえればいいと思います。旋回スピードが殺されるということは(体感的に)無いと思います」。

また最近は、別の意味も含めてやっているのだと、本音を耳打ちする。

「特に関東の場に行くと、(アマチュア)カメラマンがたくさん来てくれているんです。そのファンの人たちに向けてやっている部分もありますね」。

そんな下河のプライベートは、穏やかなものだという。

「自宅に居るときは、あまり外に出かけたりはしません。日本スピッツを2匹飼っているので、四六時中、愛犬と過ごすか愛犬が寝ているときは、書字やカリグラフィーをしています」。

「書字は三十路(みそじ)を迎えた際に、年を重ねてもずっと継続してやれる趣味を持ちたいと思って始めました。オリジナルの書体で自分のくせ字を面白く書けたらいいなと思っています。インスタなんかに上げたり、サインを書くときに色紙に一筆書いたりしています」。

「書いていると集中できるし、感性が磨かれます。細かいところを見るペラに通じるところがあります。創作系の文字を書くときは、ターンをしながら書くようなイメージですね」と笑顔を見せた。

今節の優勝戦メンバーの1人、林美憲(44=徳島)は「44、45、46番がいいエンジン。27、28、29が悪いエンジン」と準優終わりに、教えてくれた。そのうちの28号機を引いた下河は、初日に2着を取っただけで、苦戦続きの中、1節を戦い終えた。

「A2に復帰して、さらにA1を目指して頑張ろうと思っていたんですが、プロペラ調整に悩み中」と語る下河。

この後、わが家へ帰り、愛犬に癒やしてもらいながら書字で心を静め、再び輝きを取り戻すべく、次節31日からの鳴門での奮闘に期待したい。