これぞ第19代マスターズチャンピオンの貫禄だ。1枠渡辺英児(52=静岡)がインから匠(たくみ)の技でしのぎ、今年初優勝を決めた。

約10年ぶりの優勝を狙う古澤信二が本番はカド3コースからコンマ07の鋭いスタートでまくり強攻。それでも、イン渡辺は引き波に乗りながらこらえて回り、バックで古沢をつかまえ、1周2Mで先に回って振り切った。

渡辺は「インからスタートで遅れることがあって、あの展開は想定していました。(古沢選手の)引き波に乗ったけど、エンジンのおかげですね」と、3号機のパワーと巧みな旋回でしのぎ切った。通算57度目、若松では5度目の優勝となる。「5回もしているんですか? 若松はいいレース場ですね」と笑顔で締めた。