【松井律・競輪黙示録スペシャル】
競輪を野球に例えるなら、自力選手がピッチャーで、番手選手はキャッチャー。番手の佐藤慎太郎は、最高の“女房役”だ。どんな剛速球も、どんなクセ球も難なくさばいて、最高の投球を引き出す。
S班に返り咲いてからの慎太郎は、他球団(地区)のエースの球を受ける機会が多い。脇本雄太、平原康多、郡司浩平、古性優作…数え上げたらきりがない。「昨日今日でいきなりバッテリーを組まされる難しさを分かってほしいよね。映像では見ていたって、レースになると違う。いきなり手元でボールが伸びたりするんだから」。
興行サイドは、目玉の自力選手を勝ち上がらせたいし、売れる番組を作りたい。だからこそ、慎太郎とのパッケージを好むのだ。
「佐藤慎太郎は番組に恵まれている」。こんな意見を耳にしても、気にしない。「これまで俺がやってきたことが形になっただけ。誰の番手を回ろうが、俺には一点の曇りもないよ」と一笑に付す。こう言い切れるのが、この男の“格”であり、競輪を知っている人間なら分かる。
4月平塚G3は、慎太郎のための開催だった。2予でルーキー犬伏湧也に浴びせたブロックはまさに芸術。決勝で平原を先行に導いたのは、番手に慎太郎が付く安心感と責任感からくるものだろう。
特選11Rで“バッテリー”を組むのは深谷。もちろん連係実績はあるし、剛速球を受けるのはお手の物。(1)-(5)(6)(7)(9)-全で勝負だ。【松井律】





















