元SMAPで人気オートレーサーの森且行(49=川口)が6日、埼玉・川口オートの初日予選9Rで、802日ぶりに戦列復帰。2周1角で先行する4車をごぼう抜きし、いきなり勝利を飾った。20年に日本選手権でSG初制覇を果たしたが、翌年に悲劇。1月24日の飯塚オートで落車。選手生命を脅かす骨盤骨折などの大けがを負った。それでも、不屈の精神で手術、リハビリを経て、カムバック。ファンの声援を力に変えて、ゴールを駆け抜けた。

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「僕の全てがここにある、オートレースが好きだ」

川口オートレース場に掲示されている、森且行のポスターの言葉通り、大好きなバンクに戻ってきた。802日ぶりの復帰戦で、見事な復活劇を決めた。

2周1角、5番手から前の4人を一気に抜いて先頭へ躍り出た瞬間、場内から大歓声が起こった。これが復帰戦とは思えない、鮮やかなレースだった。「2年3カ月休んでても、レースの感覚は体が覚えていた」。リハビリの期間もレースのことを考え続けていた。

96年に人気アイドルグループからオートレーサーに転身。そんな森の夢がかなったのが20年の日本選手権。最高峰のステータスといわれ、全選手のあこがれの舞台。24年目にしてつかんだSGのタイトルだった。

しかし、歓喜から一転、悲劇が待っていた。21年1月24日の福岡・飯塚オートで落車。骨盤骨折など大けがを負った。選手生命どころか、一歩間違えれば命の危機さえあった。

それでも、森は復帰の道を選んだ。ファンに、もう一度勝つ姿を見せたいという思いだった。「1番は本当にファンの皆さんが、あきらめずに応援し続けてくれたおかげだと思います。元気な姿で、1着で走ってるところを見せられたので、恩返しになったと思います」と、感謝した。

ただ、復帰はゴールではなく始まり。「1番大きな目標はもう1度、日本一になりたい。けれども、そんなに甘くない。とにかくSGのレースに出られるまでいきたい。そこを目標に。時間がかかっても、一生懸命頑張っていきたい」。森の第2のオートレーサー人生がここから始まる。

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