最高の形で卒業! 上條暢嵩(29=大阪)が2コースまくりで大会初制覇を果たした。

19年4月ダイヤモンドCでG1初Vを飾った下関で、2度目のG1優勝。これで来年3月戸田のSGクラシックの出場権を獲得した。2着に関浩哉、3着に入海馨が入った。

上條暢嵩が、シリーズ序盤から続いたイン優勢の流れを最後の最後に切り崩した。

2コースからスリットを過ぎてぐいっと伸びた。迷うことなく攻め込み、抵抗を試みる入海馨をかわしてまくり切った。「行き足でハナを切ればいくつもりだった。スタートの質で勝てた」と胸を張った。大会初制覇に、「素直にうれしい」と声を弾ませた。

仕上がりも万全だった。大一番を前にピストンリングを交換。この勝負整備が見事にヒットした。「満点の仕上がり。これ以上ないです。今節はいいとき、悪いときはあったけどこれで良かったと思う」。SGファイナル、グランプリにも出場している経験値と勝負勘を、調整面でも大いに発揮した。

今大会8度目の挑戦で、世代の頂点に立った。大阪勢では前身の新鋭王座決定戦(07年大村)の石野貴之以来のVだ。「取れて良かった。(大阪支部には)すごい若手がたくさんいる。ここから後輩が取ってくれると思う」と喜んだ。

G1初Vの水面で、またも結果を出した。SGクラシックの権利を獲得し、賞金ランクも5000万円を越え、21位に浮上した。「ここ(下関)はほんとに相性がいい。来る前からやれる気がしていた」。

これ以上ない形でラストイヤーを締めくくった。さらなる飛躍を目指して、“大人”の階段を駆け上がる。