地元のプリンス郡司浩平(35=神奈川)が6度目の挑戦で、初のグランプリ王者に輝いた。地元選手がグランプリを制するのは、40度の歴史で初めて。神奈川県勢としても初の栄冠で、史上最高の優勝賞金1億4600万円を手にした。郡司を追った阿部拓真が2着。3着には吉田拓矢が入った。
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6度目の挑戦で郡司浩平が“頂”をつかんだ。鉄の結束を誇る近畿勢に関東勢がくさびを打ち込み、さらに単騎の嘉永泰斗がアタックをかける。クライマックスは、地元のプリンスの独り演舞だ。ピタリと続いた“シンデレラボーイ”阿部拓真も2着が精いっぱい。ゴールの後に、クールな男が喜びを爆発させた。
今年はG3を6度優勝。賞金ランクでは常に上位を守った。しかし、G1になると、あと1歩が届かなかった。オールスター、寛仁親王牌は、立て続けに失格。競輪祭で失格すると、GP出場が消滅する事態にまで追い込まれた。「ふがいない1年。それを取り返すために来た。力を出し切れなかった昨年のGPの悔しさもあった」。そんな思いの全てを、最終バックでペダルに乗せた。
本人の評価と周囲の評価は違う。郡司が完成させた自在スタイルは、まさに“国宝級”。輪界NO・1の呼び声が高い。自力で走れば、タイミングを逃さない。番手を回っても、そつのない仕事ができる。
今年は後進の指導にも尽力した。大事な場面で何度も松井宏佑の前を回り「ラインを背負うというのは、こういうことだ」と背中で示した。その松井らが胴上げのために敢闘門で出迎えると、郡司の涙腺は耐え切れずに決壊した。
南関1人で臨んだひのき舞台。スタートの大歓声が聞こえないほど集中していた。「ゴールをして初めてGPを実感した。仲間の顔を見て、1人じゃなかったと思えた」。やり切ってから見えたものは、曇りのない美しい世界だった。
ここから1年間はGPチャンピオンの真っ白なジャージーに身を包む。全国から刺客が首を取りにくる。でも、大丈夫。生まれながらの競輪選手の子や。血が守ってくれる。【松井律】





















