就任15戦目で初めて「広島時代の代名詞」3バックを試した。「森保さんの代表での3バックはどんなんだろう?」。最初3-4-3で並んだ時、ファンだけではなく、我々サッカーに関わっている関係者もワクワク感があった。今まで4バックで一定の結果を出してきたので、ステップアップのためにも3バックでぜひ成功してほしいという気持ちで見守った。

広島時代のように、もっと両サイドを積極的に使って、ワイドでダイナミックな展開を期待した。しかし現実はそんなに甘くない。前半44分、左に開いた長友がフリーでボールを待っていたのに、守田は中央へくさびのパスを入れて取られた。極端な例えだが、まだ第1歩の段階なので、これから十分修正はできる。

最も気になったのは、90分間同じリズムが続いたこと。流れを変えるリーダーが不在だった。リーダーの一声で11人が瞬時に動きを変えられるようになれば、チームは進化する。さらに3バックと4バックが自在に繰り出せれば、日本は次のステージに進むことができるはずだ。(日刊スポーツ評論家)