北海道コンサドーレ札幌がクラブのJ1記録を更新する6戦負けなしと好調だ。今季から就任したペトロビッチ監督の下、攻撃サッカーを展開。シュート数はリーグ最多の121本を数える。得点は11点だが、うち8点をヘッドで決めている。左利きのアタッカーが多いこともあってか、通常は多くなる右足での得点が1点もなく、頭での得点が全体の72・7%を占める(オウンゴール除く)。この数字に、札幌躍進の理由が垣間見えた。

 長身のジェイや都倉だけが頭でゴールを量産しているわけではない。158センチのチャナティップが2点、172センチの宮吉も1点。チームのクロス成功数、成功率ともリーグ1位で、小柄な選手でも頭で合わせられる高精度のクロスが、三好、駒井らから上がっている。

 ペトロビッチ監督は、短期間で劇的にチームを変えた。1試合平均のボール保持率は昨季の45%→54%にアップ。同パス成功数も120本近く増加した。クロス攻撃は昨季から武器の1つとなっていたが、その前段階の崩しがより洗練され、「クロス→ヘッド」の精度、威力が増した。あと4勝で並ぶ外国籍監督の歴代最多勝記録も、W杯中断期間の前に更新しそうな勢いだ。【石川秀和】

J1監督通算勝利数5傑
J1監督通算勝利数5傑