ベルギー1部リーグが欧州5大リーグに先駆けて開幕し、日本選手10人が開幕戦のピッチに立った。昨季の5人から倍増し、これまでの欧州主要1部リーグ全体を見ても同一リーグで10人の開幕戦出場は最多。1対1の強さを重んじるリーグで日本選手が個の力をさらに高めようとしている。

今季は日本選手11人がトップチームに登録され、そのうちサンジロワーズDF町田浩樹(ベンチ外)以外の10人が開幕戦から先発。J1鹿島からセルクル・ブリュージュに加入したFW上田綺世はフル出場し、海外デビューを果たした。

ゲンクで5シーズン目の日本代表FW伊東純也は昨季王者のクラブ・ブリュージュ戦でアシストを記録。シントトロイデンのFW林大地はDF橋岡大樹の右クロスに頭で合わせて今季初ゴールを挙げた。ベルギーで6シーズン目を迎えたMF森岡亮太も正確なCKでアシストをマーク。多くの日本選手がシーズン初戦から目に見える結果を残した。

ベルギーのFIFAランキングはブラジルに次いで2位。ただ、11月開幕のワールドカップ(W杯)カタール大会でも上位を狙う代表チームの主力の多くはイングランド・プレミアリーグなど欧州5大リーグでプレーしており、国内リーグ自体は世界のトップレベルではない。

それでも欧州の「中堅」リーグで出場機会を得て自信を深めたDF冨安健洋、MF遠藤航、MF鎌田大地(いずれもシントトロイデン)は欧州5大リーグへステップアップ。1対1の局面で違いを示したFW三笘薫も今季、サンジロワーズからプレミアリーグのブライトンへ飛躍を遂げた。

リーグ戦通算100試合以上出場の伊東と森岡はクラブの象徴的な存在になっているが、近年のベルギーリーグは世界進出を狙う日本選手にとっての最初の受け皿。日本企業が経営するシントトロイデンの存在も大きく、今後さらにその数は増えそうだ。

【石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)


<今季ベルギー1部リーグに所属する日本選手の開幕戦>A=アシスト

GKシュミット(30=シントトロイデン)先発90分0得点0A

DF橋岡大樹(23=シントトロイデン)先発90分0得点1A

MF香川真司(33=シントトロイデン)先発74分0得点0A

FW林 大地(25=シントトロイデン)先発87分1得点0A

MF森岡亮太(31=シャルルロワ)先発90分0得点1A

FW伊東純也(29=ゲンク)先発90分0得点1A

DF渡辺 剛(25=コルトレイク)先発90分0得点0A

MF坂元達裕(25=オーステンデ)先発90分0得点0A

MF三好康児(25=アントワープ)先発65分0得点0A

FW上田綺世(23=セルクル・ブリュージュ)先発90分0得点0A

DF町田浩樹(24=サンジロワーズ)ベンチ外

※J2新潟からクラブ・ブリュージュに移籍したMF本間至恩(21)は当面、セカンドチームでプレーする予定。