FIFAワールドカップ(W杯)カタール大会で、ドイツとスペインの優勝経験国が入った1次リーグE組は開幕前に「2強2弱」とされた。だが、2試合を終えた段階で全チームに1次リーグ突破の可能性が残る混戦となっている。

日本は12月1日午後10時(日本時間2日午前4時)から10年南アフリカ大会の覇者スペインとの最終戦に臨み、もう1試合は4度優勝のドイツがコスタリカと対戦する。

この状況下で日本にとっては心強いデータがある。32チーム制の現行方式となった98年フランス大会以降、2チーム以上の優勝経験国が1次リーグで同組となったのは過去4度。順当に複数がそろって勝ち上がった例はないというものだ。

02年日韓大会の1次リーグA組では連覇を目指したフランスとウルグアイがともに1勝もできずに敗退。F組にはイングランドとアルゼンチンが入り、アルゼンチンは白星スタートを飾りながら3位で敗退した。

10年南アフリカ大会では1次リーグA組でフランスとウルグアイが同組。ウルグアイが首位通過した一方で、フランスが3戦未勝利の最下位で姿を消した。

14年ブラジル大会ではイタリア、イングランド、ウルグアイの3チームが同じD組に集まる「死の組」として注目されたが、首位通過したのは伏兵コスタリカだった。

今大会の1次リーグE組で、優勝経験のあるスペインとドイツがともに勝ち上がるケースは(1)スペインが日本に勝ってドイツがコスタリカに勝利(2)スペインが日本に引き分け、ドイツがコスタリカに勝って得失点差などで日本を上回った場合に限られる。優勝経験国のいずれかは突破できないという歴史は繰り返されるのか。いずれにしても、日本はW杯優勝経験国に2勝して決勝トーナメントへの道をこじ開けたい。


<複数の優勝経験国が1次リーグで同組>★は優勝経験国、カッコ内は勝ち点

▽02年日韓大会A組

1位 デンマーク(7)

2位 セネガル(5)

3位★ウルグアイ(2)

4位★フランス(1)

▽02年日韓大会F組

1位 スウェーデン(5)

2位★イングランド(5)

3位★アルゼンチン(4)

4位 ナイジェリア(1)

▽10年南アフリカ大会A組

1位★ウルグアイ(7)

2位 メキシコ(4)

3位 南アフリカ(4)

4位★フランス(1)

▽14年ブラジル大会D組

1位 コスタリカ(7)

2位★ウルグアイ(6)

3位★イタリア(3)

4位★イングランド(1)

【イラスト】日本の突破条件 第3戦こうなる
【イラスト】日本の突破条件 第3戦こうなる
スペイン対ドイツ 前半、ドリブルするスペイン代表ガビ(左)(22年11月27日撮影)
スペイン対ドイツ 前半、ドリブルするスペイン代表ガビ(左)(22年11月27日撮影)
スペイン対ドイツ 試合を終えあいさつを交わすドイツ代表GKマヌエル・ノイアー(左)とスペイン代表ガビ(撮影・横山健太)
スペイン対ドイツ 試合を終えあいさつを交わすドイツ代表GKマヌエル・ノイアー(左)とスペイン代表ガビ(撮影・横山健太)
練習に向かう日本代表の選手たち(撮影・江口和貴)
練習に向かう日本代表の選手たち(撮影・江口和貴)