いい時間帯に2点取ったけど、その後はペナルティーエリア内で粘りとスピードのある相手の守りにてこずってしまった。

決定力不足というより、それ以前に攻撃のバリエーション不足だ。オーソドックスにサイドに展開してクロスを上げる形ばかりではね…。こういう相手にはもっと個人技で勝負してほしかった。セットプレーから得点できないのも物足りない。大迫のポジション取りは中途半端だったし、南野は後半消えていた。

いわゆる「初戦の難しさ」なんてない。最終予選ならまだしも、そんな段階でも、そんな相手でもない。勝ち点3を持ち帰ることで喜んでいてはいかがなものか? 勝つのが当たり前の相手だ。2得点だけというのは寂しいが、実際に日本は無理をせずに、ケガしないよう“余裕の”戦い方だった。

久保を投入したのも「もう1点取るため」には見えなかったな。まるで最年少出場記録をつくらせるためのような時間帯だった。伊東をわざわざ右サイドから左に変えてね。せっかく出すなら先発か、せめて堂安に代えて出せばよかった。残り10分ちょっとじゃ何もできないし、視聴率も取れないよ。

10月の2試合に向けての宿題は? 各選手が所属クラブに戻って、自分を磨くことだ。結局W杯2次予選は、こういう実力差が大きい相手との戦いの繰り返しになる。以前にも主張したが、南米選手権とは違い、このレベルの中では強化にはつながらない。2次予選の間はクラブで成長するしかない。特に今夏に移籍した堂安、中島、久保はまずクラブで試合に出て、活躍することが求められる。(日刊スポーツ評論家)