日本は、またもラッキーボーイに助けられたな。この2試合、伊東がいなかったら、と思うとゾッとするね。日本が奪った4点すべてが彼から生まれた。格下の中国には他に攻め手がなかったし、後半に足が止まったサウジアラビアには、手を替え品を替え、次々と攻撃的な選手を投入しても、得点は奪えなかった。

足が止まった後半のサウジなら、3点目、4点目が取れたはず。途中まではいい流れで攻めても得点には結びつかない。指揮官が信頼してスタメンで送っている大迫、南野、長友が毎試合のように途中交代されるのも、チームとしてどうかと思うよ。

得点に苦しむのは、今のシステムなら仕方ないだろうな。まあ、システムだけの問題ではないだろうけれどね。森保監督は守田、田中を並べて中盤の安定を重視した。2人とも攻撃よりは守備が得意な選手で、当然守備は安定するけれど、攻撃の厚みやアイデア、破壊力は落ちるに決まっている。だから、日本は先制点を挙げないといけないし、失点したら苦しくなる。途中から選手を入れても、すんなり試合に入れる選手は今の日本じゃいないしな。

残り2試合。今回の2試合は連勝で乗り切ったが、これは前半戦の失敗を挽回しただけ。特にアウェーのオーストラリア戦は大一番だな。アウェーの引き分け狙いではやられるだろうな。勝利の条件を言うなら、伊東がケガなく、ベストコンディションでいてくれることかな。(日刊スポーツ評論家)

後半5分 伊東のゴール
後半5分 伊東のゴール