【ドバイ(UAE)=岡崎悠利、栗田尚樹】20日に開幕するワールドカップ(W杯)カタール大会に臨む日本(FIFAランキング24位)が、カナダ(同41位)に1-2で敗れ、本番前最後の強化試合を終えた。後半ロスタイムにPKから失点した。


★セルジオ越後の鋭角ジャッジ★


やはりセットプレーでやられたね。「まだ時間があるから修正できる」という人もいるけれど、セットプレーの修正はなかなかできるもんじゃないんだよ。

日本は同じことをずっと前から言われてる。簡単に修正できるなら、とっくに改善されてるよ。失点する前も2度連続でCKから高さで負けているしな。これは致命的なウイークポイントだね。カナダより高く正確なドイツは、そこを徹底的に狙ってくるだろうな。

前線からのプレスもかからなかった。カナダは、9月に対戦した米国よりパスがうまいし、細かいし、速かった。日本は高い位置でボールを奪ってチャンスを作らないと厳しいチームなのに、かなりパスで崩された。

慌ててファウルしたり、簡単にCKを与えたり。結局は最後にファウルでPKを与えてしまったな。1-2は妥当な結果じゃないの。

本番前の最後の試合で負けたことで、本番ではさらに守備的に戦うんじゃないのかな。かえってその方がうまくいくこともあるし、負けてチームが締まることもあるから。

負けて悔しいだろうけれど、カナダ戦の負けがいい方向に転がることを期待したいね。

当然、ドイツもスペインもカナダより強いわけだから、今日よりもっとキープされるし、ドリブルとパスで崩されるだろう。その中で、どれだけ粘り強く守ることができるか。前線からプレスを掛ける時間を、どれだけ長く維持できるか。守りで頑張ると、相手が焦ることもあるしね。試合がいい方向に展開することを期待したいね。

今日の試合で、気になることが2つあった。南野があまりにも目立たなかった。ほとんどボールに触れられなかったし、後半は決定的なシュートミスもあった。

W杯本番ではスタメン出場はないかもしれないけれどW杯は総力戦。強敵相手に後半勝負になった場合、南野の不調はかなり致命的かもしれないね。

さらに気になったのは、鎌田をボランチで試したことだ。それ自体はいいんだけれど、もしかして所属クラブの試合で脳振とうを起こした遠藤の回復が少し遅れているのではないだろうか。そうじゃなかったら、ここへきて鎌田をボランチで試す理由があまり見つからない。

遠藤の回復が間に合わなかった場合を想定して試したのなら、これはかなり痛いね。そうじゃないことを祈るよ。

(日刊スポーツ評論家)