J1がいよいよ終盤戦を迎えました。優勝争いとJ1残留争いが、佳境に入ってきます。稀に見る混戦で、中位のチームも下位、上位との勝ち点差が少なく、ここからの1試合1試合が、重要になってきます。

私が担当する清水エスパルスは現在勝ち点31で11位(1日午後4時現在)。前節横浜F・マリノス戦は2-1で逆転勝ちを収め、残留へ「半歩」前進しました。同試合で1得点1アシストを記録したMF金子翔太(23)も「5試合勝っていなかったので、正直ホッとしました。早めに残留を決めるためには、大きな1勝でした」と素直な気持ちを明かしました。

今季、選手の口から「残留」という言葉を聞いたのは、この日が初めてでした。現実的に優勝は難しく、残留争いを意識する順位。J2自動降格圏との17位ガンバ大阪とは勝ち点10差ですが、気は抜けない状況です。

私自身は2015年、清水にとって初めてのJ2降格を取材しました。3年前と比較すると、MF金子やFW北川航也(22)ら若手が台頭してきた一方で、J2降格を経験した選手の大半がピッチに立っていないのが現状です。前節横浜戦のスタメン11人を見ても、J2降格時に主力だったのは、MF白崎凌兵(25)とMF河井陽介(29)の2人だけです。

3年も経てば、選手が入れ替わるのは当然のこと。ただ、今後、チームが苦しい状況になった時こそ、「降格」の悔しさを知る人たちの力が必要だと感じています。それは、選手だけでなく、スタッフやクラブ社員、サポーターも同様です。

私自身も今季、J2降格をした15年シーズンよりも、厳しい目で取材を続けてきたつもりです。あくまで是々非々で客観的にチームを見ていますが、「清水に同じ失敗を繰り返してほしくない」という思いもあります。残り10試合。これまでと変わらず、気を引き締めて取材を続けます。

◆神谷亮磨(かみや・りょうま)1985年(昭60)8月28日。さくらももこさんと同じ、静岡市清水区生まれ。幼稚園からサッカーを始め、高校は東海大静岡翔洋(旧東海大一)に進学。08年入社。J1ジュビロ磐田やアマチュアサッカー担当などを経て、4月から清水担当。