7日、J1第29節仙台-浦和戦がユアスタで行われた。結果は1-1。前節までで勝ち点41で並んでともに上位進出へ負けられない1戦は、意地を見せ合ってのドローだった。

得点者は浦和レッズがDF橋岡大樹(19)、ベガルタ仙台がDF板倉滉(21)。ともに20年東京五輪を目指す若手の有望株だ。橋岡が待望のプロ初ゴールを決めれば、板倉もお返しと言わんばかりに鮮やかなヘッド。J1の舞台で東京五輪世代が躍動した。アンダー世代の日本代表を取材する身として、見ていてうれしくなる試合だった。

2人は世代別代表でともに活動したこともある。この試合中は、浦和陣内に攻め込んで接触で倒れた板倉に橋岡が手を差し伸べる場面があった。チームは違えど、年齢が関係ないプロの世界に立ち向かう立場は同じだ。試合後、板倉は「橋岡に1点とられて、くそっと思った。僕も負けないようにしないと」。競い、支え合っている。

板倉は8月のジャカルタ・アジア大会にもU-21日本代表の主力として参加。韓国との決勝ではトットナムFW孫興民と渡り合うなど、確実に経験を重ねている。橋岡も19歳ながら浦和でスタメンの座を勝ち取り、先輩のDF槙野智章も「最初は勢いもあったけど、研究されてきた中で結果を残している。この世代でこれだけJ1でやっているのは彼くらい」と期待を口にする。東京五輪世代は“飛び級”になるが、可能性は十分にある。

橋岡は今月下旬のU-19アジア選手権(インドネシア)に参加する同日本代表に選出された。「期待されることはうれしいこと。いいプレーをして結果を残すことで成長を見せたい」と、おごりのない表情で話した。あと2年を切った大舞台を目指し、若武者たちが頼もしく前へ進んでいる。【岡崎悠利】

◆岡崎悠利(おかざき・ゆうり) 1991年(平3)4月30日、茨城県つくば市生まれ。青学大から14年に入社。16年秋までラグビーとバレーボールを取材し、現在はサッカーで主に浦和、東京V、アンダー世代を担当。

(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「サッカー現場発」)


仙台DF板倉滉(2018年10月7日撮影)
仙台DF板倉滉(2018年10月7日撮影)