<高校サッカー:長崎総合科学大付0-0(PK5-4)常葉学園橘>◇12月31日◇1回戦◇フクアリ
常葉学園橘(静岡)の初勝利は今回もならなかった。長崎総合科学大付相手に自慢の堅守で前後半の計80分を無失点におさえ、攻めても主将のDF石川大輔(3年)がセットプレーから2回、決定機を作った。だが、0-0で迎えたPK戦はともに1人が失敗しての6人目で、MF池田誠(3年)が止められ敗れた。05年以来7年ぶりの全国で、またも初戦で涙をのんだ。
PK戦後攻の常葉橘は、2人目のFW島田隼希(3年)が相手GKに止められた。5人を終えて4-4。先に相手の6人目が決めて、MF池田がスポットに立つ。右へ蹴ったボールは相手GKに読まれていた。池田はがっくりと膝からピッチに崩れ落ちた。
決定機では上回った。相手FWはスピードがあり個人技の精度も高かったが、守備陣は体を張ってシャットアウトした。前半終了間際から徐々に相手サイドバックの裏のスペースを使えるようになり、前半30分過ぎからCKを立て続けに獲得する。後半9分にFKからDF石川が競り勝ちヘディング。同38分にはCKからまたも石川がどんぴしゃのタイミングに頭で合わせた。だが、いずれも相手GKの好セーブで得点を奪えなかった。ピッチをたたきつけて悔しがった石川は「決められなかった。責任を感じてる」と振り返った。
常葉橘は今夏、勝てない試合が続いた。そのため、これまでのスタイルを捨てて守備に軸足を移した。プリンスリーグは降格。残されたラストチャンスの選手権県大会は予選7戦を無失点で切り抜けた。3次トーナメント以降の得点は、80分以内に限れば準々決勝静岡学園戦の1点のみ。県大会後は攻撃の整備に時間を割いた。7人で守り3人で攻めるのが基本。サイドのスペースへ蹴りこみFWがボールを追い中へ合わせる。シュートで終わらなくてもCKを獲得する狙い。練習を重ねるうちに得点に1歩ずつ近づいていた。
この日も途中出場のFW前田直輝(3年)後藤克也(2年)MF伊藤聖人(2年)が相手の間延びした中盤を狙って、シンプルに縦に仕掛け続けた。後半40分にはカウンターから4対3の状況を作るなど、積み重ねた成果が垣間見えた。新井裕二監督(29)も「押し込む時間が長かったからどこかで点が取れるかな、と思ってましたけど」と無念そうだった。
05年の初出場以来7年ぶりの全国。またも初勝利を逃した。石川は「県大会は耐えてPKだったけど、今回はチャンスが多くてのPK」とそこまで話すと「さすが全国だな」と吹っ切れたようにはき出した。石川の涙はすでに乾いていた。
新チームは近く始動する。3年生の分まで、下級生が悔しさをぶつける日々はすぐに始まる。【加納慎也】



