【バンクーバー(カナダ)4日(日本時間5日)=鎌田直秀】なでしこジャパンのMF宮間あや(30=岡山湯郷)は、米国戦勝利のイメージを固めた。先制点から、耐えて粘り強く。GKソロ(33)を中心に、今大会5戦連続無失点の牙城を崩す。「なでしこ」をブームではなく、文化にするために-。2大会連続でW杯トロフィーを掲げることを約束した。米国との決勝は今日5日(同6日午前8時)にキックオフする。

 宮間には、主将として連覇への道筋がしっかり見えている。「米国がカップを掲げる姿は想像できないですし、全員で勝って掲げるイメージしかない」と言い切った。日本は史上初となる、6試合連続1点差勝利での決勝進出となった。3月のアルガルベ杯9位から立て直し、接戦を勝利に結びつけるなでしこらしさが復活した。

 対する米国も、今大会は1次リーグ初戦オーストラリア戦の1失点のみ。米女子リーグ・アトランタ所属時のチームメートでもあるGKソロの特徴も熟知している。「間違いなく、世界一のGK。見えるところからシュートを打っても入らない。まずは先制点。私たちは今大会先制点を取り続けているので、リズムができればいい」。ドイツ、ロンドンではかなわなかった先制点をポイントに挙げた。

 個人としては大会MVPにあたる「ゴールデンボール賞」の最終候補8人に選出された。優勝すれば、前回大会の澤に続く受賞は確実だ。だが宮間の関心は別にある。「個人賞にはまったく興味がない」。それ以上に、今後の女子サッカー界における連覇の重要性に力を込めた。

 宮間 ドイツで優勝してから女子サッカーに興味、関心を持っていただいたが、国内での関心は少し薄れてきてしまった。これから先、女子サッカーを背負う選手のため、サッカーを始めようと思っている少女たちのため、連覇が、ブームではなく文化になるようにスタートをきれるんじゃないかと思っている。

 胸には日の丸とともにW杯優勝ワッペンが光り輝く。「また4年間付けられるようにすることが、私たちがやらなくてはいけないこと」。12年ロンドン五輪では銀メダルに納得ができず、悔しさしか残っていない。今大会も言葉やプレーでチームを引っ張ってきた主将には、自信がみなぎっていた。