日本代表MF中村敬斗(25=Sランス)が今大会の日本1号を決めた。0-1の後半12分に、右足で股抜きの同点ゴール。1学年下のMF久保建英(25=Rソシエダード)のアシストから、強敵を追う口火を切った。バルセロナなどで活躍した元ブラジル代表MFロナウジーニョに憧れ、磨いてきた技術とシュート力を大舞台で披露。森保体制2季目のW杯で、主役をつかみ取る。

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東京Vヘッドコーチの森下仁志さんは中村の活躍に胸を躍らせた。G大阪U-23の監督を務めた19年に指導したことをきっかけに、今も連絡を取り合う仲だ。

中村は欧州で茨の道を歩んだ。21年1月に連絡を受けた。「もうオーストリア2部のセカンドチームしかないんです」。行き場はなかった。それでもG大阪に戻らず、欧州で踏ん張ろうと気持ちを固めたかったのだろう。「選択は2択。やるか、やらないか。逃げないで厳しい方を選択して踏ん張れば、選択肢は増える」と言って背中を押した。

2部リーグから踏ん張った。その2年半後にフランス1部スタッド・ランスへの道が開けた。いい時が成長でなく、苦しい時こそが未来への「貯金」なのだという。苦労して乗り越えたら、そこは大きくステップした証し。中村はそうやって自らの人生を切り開いてきた。森下さんは言う。「これからも自分の強みを生かして日本をより高い場所へ導いてほしい」。本当の戦いは始まったばかりだ。【佐藤隆志】