2020東京五輪に向かうサッカー日本代表の指揮官に就任した森保一監督(49)が30日、都内で就任会見を行った。また田嶋幸三会長と西野朗技術委員長も出席した。

 西野技術委員長が、2年半後の大舞台に向けて強化方針に見直しの必要性があると語った。東京五輪世代は5月にU-20(20歳以下)W杯韓国大会に出場し、決勝トーナメント1回戦(ベスト16)で敗退。10月にU-17(17歳以下)W杯インド大会に出場した同日本代表もベスト8には進めなかった。西野技術委員長は「昨年から強化を強めて海外遠征もさせてきた。本大会で間違いなくいい成果をだせるという期待も強くあった。その中で本大会にいってみると、まったくといっていいほど世界基準が違うことを体験した」と、強化に改善の余地があることを口にした。

 U-17日本代表は大会までにアフリカ、南米など4大陸への遠征を敢行。恵まれない環境でのプレーも経験した。本大会直前のチェコ遠征では前哨戦となる大会で優勝するなど好成績へ期待が高まっていたが、決勝進出を目指した本大会では優勝したイングランドに惜敗した。イングランド戦を視察した西野技術委員長は試合後「やっぱり(16強に)壁がある。個の力も、世界基準に届いていないと感じる」とふり返っていた。この日は「日本人らしさが活かされるのはあのレベルまで。でも世界はそこから違うんだということを選手もスタッフも感じた」と話し、「世界基準をもう少し捉えてやっていかないといけない」とし、新たな強化策を模索する考えを示した。

 森保一監督がメダル獲得を目標に掲げた東京五輪。新指揮官は「要望があればその都度西野さんに相談しながら進めたい」と話し、一体となってメダルを目指す考えを語った。チームは12月のタイ遠征から始動し、来年1月にAFCU-23アジア選手権(中国)に出場することが決まっている。