ワールドカップ(W杯)ロシア大会の組み合わせ抽選会(1日)に出席していた日本代表バヒド・ハリルホジッチ監督(65)が3日、モスクワから千葉・成田空港に帰国した。同じくゲスト参加していたJ2横浜FCのFW三浦知良(50)と同便で到着。カズにJ2の選手情報を“取材”していたことが明らかになった。コロンビア、セネガル、ポーランドとの対戦が決まった来年6月のW杯1次リーグを見据え、日本の2部からも原石を探す。

 ハリルホジッチ監督と同便で帰国したカズが明かした。「(機内の)席が隣の隣でしたし、抽選会でも話をさせてもらいました」。代表チームの現状などを伝えられた中、反対に質問されたことが「J2に若くて良い選手はいないか」だった。カズは「監督が選手に求めていること。日本人への要望。内容は言えないですけど聞かせてもらいました」。抽選会の舞台裏で、日本のレジェンドにJ2発掘への意欲を打ち明けた。

 アルジェリア代表監督時代には、当時イングランド2部レスターの新人だったMFマレズを抜てき。前回W杯直前の14年5月にA代表デビューさせた前例がある。リーグのレベル差を考えれば単純比較はできないが、日本の2部選手も候補であることが明らかに。もちろん、来年51歳になるカズもW杯を諦めていない。

 今日4日からは、全員J1の国内組で臨む東アジアE-1選手権(味スタ)の合宿が始まる。G大阪から20歳DF初瀬を初招集。東京五輪世代でA代表に一番乗りさせた。J2にも、この日のJ1昇格プレーオフにフル出場した福岡DF冨安ら、東京世代の有望株は多い。これまではMF山口のチェックを目的に、J2時代のC大阪を見に足を運んだことはあったが、来年2月開幕のJ2視察にも本腰を入れるのか注目される。

 日本は欧州ポーランド、南米コロンビア、アフリカのセネガルとともに1次リーグH組に入った。来年3月の海外遠征(予定)に向けて「3チームとも違った特徴を持っている。似たチームと3月に、W杯の前(5月の事前合宿)に対戦したい」と要望も出した。そこにJ2選手が加わるようならビッグサプライズ。「ほかの3チームは我々より格上。ただ、我々はツーリスト(旅行者)としてロシアに行くわけではない。結果を出すための準備をする」。その一端が、異例の2部リーグの掘り起こしになるのだろうか。【木下淳】