日本のサッカーA代表とU-21代表(東京五輪世代)の合同メンバー発表会見が7日、東京・JFAハウスで行われ、23人ずつの計46人が同時選出された。A代表は国際親善試合(16日ベネズエラ戦=大銀ド、20日キルギス戦=豊田ス)に臨みU-21代表はUAEに遠征する。兼任する森保一監督(50)はAからU-21、19、16までの代表選手とコーチをミックス。就任後、初めて両チームの活動が重なるタイミングで全権監督の利点を生かし「4世代融合」に着手した。森保監督がA代表、横内昭展コーチ(50)が監督代行としてU-21代表を指揮する。

兼任ならでは、の初の同時メンバー発表だった。会見で事前に配られたリストは両面印刷。表にA代表、裏にU-21代表の総勢46人とスケジュールが記されていた。その後、登壇した森保監督が「Aは私、U-21は横内コーチが指揮を執ります」と、まず役割分担を説明。00年シドニー五輪、02年日韓W杯の監督を兼ねたトルシエ氏以来の一人二役会見に「1つの代表の23人を選ぶだけでも難しいのに」と苦笑いしつつ「兼任監督として何がベストか考えていきたい」と話した。

並行して、両代表の編成会議を重ねてきた。兼任のメリットを最大限に生かすべく4世代を融合。AとU-21、19、16の各代表をシャッフルした。まず選手。MF堂安、DF冨安を引き続きA代表に飛び級で招集した一方、9月にA代表を経験させたMF伊藤達を、U-21代表へ戻した。森保監督は「伊藤にはAで経験したことを伝えてもらい、浸透を図っていければ」と期待。U-21代表には、アジア選手権を戦い終えたばかりのU-19代表から17歳FW久保、主将のMF斉藤ら6人を昇格させて「活躍した選手に底上げしてもらいたい」と狙いを口にした。

コーチ陣は各代表を縦断させた。A代表の暫定コーチにU-16代表の斉藤俊秀コーチとU-19代表の秋葉忠宏コーチを、U-21代表にU-16代表の高桑GKコーチを引き上げた。「A代表でやっていることを経験してもらい(U-19)影山監督と(U-16)森山監督のチームに戻った時、各代表へのコピーではないが、共通認識として持ち帰ってもらえれば」。日本の全権を預かる男として4つの世代に1本の縦串を通した。

サンフレッチェ広島時代から森保監督の右腕だった、ヘッド格の横内コーチの存在も大きい。ドバイ杯U-23に出場するU-21代表を任せるに当たり「彼とは描いている絵が同じ。横内コーチの言葉は私の言葉と同じ」と全幅の信頼を口にした。同じ質の指導を提供し、壁を取り払う。この風通しが日本の進化を加速する。【木下淳】