来季北海道コンサドーレ札幌加入が内定しているU-22日本代表MF田中駿汰(22=大体大)が、東京オリンピック(五輪)のメンバー入りへ猛アピールした。

同世代の国内初実戦となる国際親善試合キリンチャレンジ杯U-22コロンビア代表戦(Eスタ)に先発し、ボランチとして後半42分までプレー。中盤での激しいプレスなど、存在感を示した。今年6月のトゥーロン国際(フランス)での初の代表入りから評価を得ている大学生が、本番まで続くサバイバルの1歩を踏み出した。

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東京五輪を目指す田中が、攻守にアピールを重ねた。センターバックもこなす持ち前の守備力を見せつつ、「ボールに触ってリズムを作るように言われていた」と、攻撃にも積極的に参加した。候補選手の中で唯一の大学生だが、「サバイバルなので枠が少ないですけど、しっかり(五輪代表を目指して)やれる位置にいる」と胸を張った。

A代表に定着しているMF堂安、久保ら海外組が8選手そろい、森保監督は「現時点でのU-22のベストメンバー」と言った。田中は5月に来季の札幌入りが内定し、6月のトゥーロン国際でU-22代表初招集。10月のブラジル遠征にも参加し、同世代トップクラスとの練習で「クオリティーも、考えていることも、レベルが高かったのが見習う部分。自分自身もアピールしていかないといけないと思った」とレベルアップしてきた

中盤で相手に圧力をかける好守備も目についたが、一方で慣れない顔ぶれによる連係面や、コロンビアから受けた厳しいプレスへの対応など課題も見えた。懸命に走った87分間。「いっぱいお客さんが来てくれたなかで、自分の力を発揮することの難しさをあらためて感じた。もっと選手同士でコミュニケーションを取ってやれれば」。来年の本番のピッチに立つために、厳しいチーム内競争を勝ち抜く覚悟だ。【保坂果那】

◆U-22日本代表のボランチ コロンビア戦ではMF田中とゲームキャプテンを務めるMF中山(ズウォレ)が先発したが、ケガで今回は不参加となったMF田中碧(川崎F)がこれまでの主力。MF渡辺(横浜)も候補だ。3人まで登録可能なオーバーエージ枠の採用も予想され、A代表で同位置の主力MF柴崎(デポルティボ)も名前が挙がる。

◆田中駿汰(たなか・しゅんた) 1997年(平9)5月26日、大阪府出身。NSC北斗サッカークラブ、G大阪U-15、履正社から大体大。今年5月に札幌の来季加入内定が発表された。特別指定選手に登録され、背番号は32。7月のユニバーシアード日本代表に選ばれ金メダル獲得。183センチ、68キロ。利き足は右。