次は、どんな劇的ゴールが「埼スタの北側」で生まれるだろう。日本サッカー協会(JFA)は30日、2022年1~3月にホームで予定しているワールドカップ(W杯)カタール大会アジア最終予選の3試合を、埼玉スタジアムを使用することで、大野元裕埼玉県知事(57)から協力する旨の返答を受けたと発表した。この日、行われたルヴァン杯決勝(埼玉)に訪れた大野知事から、JFA田嶋幸三会長(63)に伝えられた。

対象試合は来年1月27日中国戦、同2月1日サウジアラビア戦、同3月29日ベトナム戦。今後はアジアサッカー連盟(AFC)の承認を経て、正式決定となるが、大筋のめどは立った形だ。W杯予選21勝3分け1敗という驚異の白星率8割4分を誇る相性の良い“聖地”で歓喜を積み上げていく。

願いが通じた。当初は、今年12月から同スタジアムで芝生の張り替え工事を予定していた。来年4月まで使用困難の見通しで、W杯予選は使用できないと見られていた。かねて同スタジアムでの開催を熱望していたJFA田嶋幸三会長(63)は27日に、埼玉県庁を訪問。大野知事に要望書を提出した。協議の結果、芝の張り替え工事の開始を1年先延ばしにすることになり、「埼スタ」で3試合を開催する運びとなった。J1浦和にとっても一安心。来季の開幕は来年2月の第3週。本拠地で、スタートダッシュを切る。

“ココ”には、日本代表を後押しする何かがある…。ドラゴン久保(FW久保竜彦)は、04年オマーン戦で、大黒様(FW大黒将志)は、05年北朝鮮戦で、こぼれ球を押し込んだ。現キャプテンのDF吉田は、11年の北朝鮮戦でヘディング弾。13年にはMF本田圭佑が、オーストラリア戦でPKを仕留め、引き分けに持ち込んだ。16年イラク戦では、山口蛍が右ボレーで誕生日ゴール。全てW杯予選の後半ロスタイムでの得点。全て「埼スタの北側」で誕生したドラマチックなゴールだった。

日本の追い風となる。カタール本大会を目指す日本代表は4試合を終えて2勝2敗。B組4位につける。得点数は、同組最下位となる「3」。日本を勝利に導いてきた「埼スタ」の地で、あまたの劇的ゴールをうんだ「埼スタの北側」で-。日本代表が、パワースポットで躍動する。