なでしこジャパン(女子日本代表、FIFAランク13位)が同韓国(同18位)に1-1と引き分け、決勝トーナメント1位通過を決めた。開始32秒でFW植木理子(22=日テレ東京V)が今大会2点目となる先制ゴール。後半40分にゴール前の混戦から同点に追い付かれ引き分けたが、得失点差でC組首位を守った。決勝トーナメント初戦となる30日の準々決勝(日本時間17時)で勝利すれば、23年W杯出場権を獲得する。

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【女子アジア杯】なでしこ開始32秒弾も韓国とドロー 予選1位通過/詳細>>

キックオフからわずか32秒後。電光石火の攻撃だった。「早い時間に決められたのは、チームとしても良かったし、個人としてもいい波に乗れた」。DF三宅が前線へ大きくクリアしたボール。植木は素早く相手DFの前に走り込み、ボールを収めた。そのままエリア内に入り込むと、鋭く右足でGKの逆を突いた。

「先制点は大事なものになる」。試合前にチームであらためて確認し合っていた。ここまで2戦の先制ゴールはミャンマー戦が22分、ベトナム戦が38分。徹底的に下がって守る相手に苦しんだ。この日はグループ最大のライバル相手に、開始1分も経たず、チームの誓いを果たした。

しかし、日韓戦はこのままでは終わらなかった。後半40分、韓国の右コーナーキックからゴール前で大混戦になると、最後は押し込まれて同点。後半は攻め込まれる時間が続いたが、最低限の1位通過は守り抜いた。

池田監督は結果を評価した。「1位で通過したことをうれしく思う。試合が始まってすぐに先制点を取ることもできたので、次につながるのではないか」。しかし、全ての内容に納得したわけではない。「突破した満足と、もう少しコンビネーションを磨かないといけないと。追加点をしっかりと取る部分では、満足とそうでない部分と両方の気持ち」。次はW杯出場権をかけた準々決勝。さらに負けられない試合が続く。

先制点を決めた植木は初戦ミャンマー戦が代表初得点。同戦で同じく初ゴールを決めた成宮は、続くベトナム戦で2ゴール。フレッシュな力が試行錯誤しながら、結果を残している。この日出場はなかったが、新型コロナから復帰したFW岩渕がベンチ入りと、次戦へ明るい材料もそろう。グループ1位という最初の目標を達成し、アジアの頂点へ突き進む。【磯綾乃】

◆女子アジア杯 近年は4年に一度の開催で、日本は2連覇中。今大会は12カ国が参加しており、日本はミャンマー、ベトナム、韓国と同じC組で、すでに準々決勝進出が決まっている。同じく準々決勝進出を決め、この日対戦した韓国やA組中国、B組オーストラリアが、3連覇を狙う日本のライバルとなる。23年女子W杯予選を兼ねており、開催国オーストラリアを除いた上位5カ国に、本大会出場権が与えられる。決勝は2月6日。