7大会連続7度目のW杯出場を決めている日本(FIFAランク23位)が、本大会へ向けて大きな不安を残した。アジア最終予選の最終戦(埼玉)は、最下位のベトナム(同98位)にまさかの引き分け。直近の24日オーストラリア戦(シドニー)から9人を入れ替え、凱旋(がいせん)試合に臨んだが、勝利を届けられなかった。W杯ベスト8を目標に掲げる中、課題が浮き彫りとなった。

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歓喜に沸くベトナムのサポーター。声だし、指笛…。公式アナウンスから幾度も、注意喚起を受けようが、お構いなし。日本代表にとって、最悪のBGMは試合後にさらにボリュームを増した。何度も首をかしげたDF吉田。「たくさんのお客さんに来ていただいて、勝てなくて申し訳ない」と頭を下げた。南野は下を向いて、顔をしかめた。伊東は一点を見つめ、ぼうぜんと立ち尽くした。笑って臨むはずだったW杯出場決定セレモニー。皆の顔は引きつっていた。

オーストラリア戦から9人を入れ替えた。吉田が「チグハグ感は予想していた」と言うように、前半から連係を欠いた。ここ3試合出番がなかったアンカーの柴崎は、不用意なボールロストが目立った。ワントップの上田は、何度も何度も相手の背後へ抜けだす動きを見せたが、そこにボールは入らなかった。反対に、ベトナムにボールを奪われる場面が増えた。迎えた前半19分。左CKから先制点を献上。ペナルティーエリア内には、相手よりも多くの人数で構えたが、フリーでヘディングを許した。

待望のA代表初得点が期待された久保も、存在感を示すことが出来なかった。再三の仕掛けも、格下相手に阻まれた。奪われた直後には、ファウルを犯すなど、ストレスで顔をゆがませた。インサイドハーフで出場した原口、旗手のコンビも、目立った仕事を果たせなかった。

日本らしさを取り戻したのは、皮肉にも後半からだった。後半開始から旗手に代えて、伊東を投入。同16分には久保、原口、柴崎をベンチに下げた。代わりに南野、守田、田中とスタメン組を投入。以降はバランスの取れたゲーム運びが出来たが、時既に遅し。チーム全体で、ドタバタ感が際立った。

W杯の各地区の予選では、FIFAランク6位のイタリアですら2大会連続敗退となった。その本大会に日本は出場し、ベスト8を目標に掲げる。最下位のベトナム相手に引き分けでは言い訳が出来ない。これは消化試合ではなく、サブ組のアピールの場だった。スタメン組とサブ組の差が如実となった。誰が出場しても、日本代表のサッカー、森保ジャパンの絵を描くことが出来なければ、壁を突破することは夢のまま終わってしまう。【栗田尚樹】

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