日本代表(FIFAランク23位)はキリンカップ決勝で14日午後6時55分から、チュニジア代表(同35位)と大阪・パナソニックスタジアム吹田で対戦する。11月開幕のワールドカップ(W杯)カタール大会に出場するチームとの一戦。高さのある相手にどう挑むかがポイントの1つに挙げられる。

チュニジアの来日メンバー24人の平均身長は183.8センチ。日本の平均179.8センチ(離脱者除く)を4センチも上回る。単純な浮き球のクロスは効果がなさそうで、10日のチリ戦に2-0と快勝したチュニジアは、センターバック(CB)で先発したDFタルビ(24=ルビン・カザン)が194センチ、ガンドリ(27=クラブ・アフリカン)も197センチなど長身選手がそろう。

180センチ以上の選手は24人中18人。対する日本は25人のうち半分以下の12人にとどまる。特にチュニジアのCBと日本のセンターFW候補は20センチ以上の「ミスマッチ」となる。

182センチの上田綺世がけがで途中離脱し、最前線は170センチの古橋亨梧、173センチの前田大然らスピードが武器の小柄な選手が多い。地に足をつけてグラウンダーのパスをつなぎ、本来の武器である俊敏性を発揮したいところ。4-1で勝った10日のガーナ戦同様、サイドを崩して深く切れ込み、今度はそこからのクロスの質もより問われることになりそうだ。

前田は「スピードタイプは多いが、それぞれ役割が違う。前線からの守備、背後への抜けだしやクロスに入るのは自分の持ち味なので意識してやっている」と言う。「クロスに入る時は相手につかまらないように」と、そのスピードを生かして低く速いクロスを「点」でとらえるのは効果的か。

2日に始まった6月の代表戦シリーズは4連戦の最終戦。森保監督は「本大会のシミュレーション」と位置づけていたが、中3日でタフに戦い続け、今回のチュニジア戦はW杯で言えば決勝トーナメント1回戦。目標のベスト8進出を懸けた戦いとなる。

◆チュニジア代表 地中海に面する北アフリカの強豪でFIFAランクは35位。W杯には78、98、02、06、18年大会に続き、今回で6度目の出場、初の1次リーグ突破を目指す。アフリカ選手権は04年に優勝。ジャレル・カドリ監督。10日のキリン杯初戦は2-0でチリに快勝。過去4度の日本戦は全敗している。