【ドーハ14日=佐藤成】3大会ぶり史上最多5度目の優勝を狙う日本(FIFAランキング17位)が、元監督のフィリップ・トルシエ氏(68)率いるベトナム(同94位)との初戦を4-2で制した。一時1-2とされる苦しい展開も、前半ロスタイムにMF中村敬斗(23=スタッド・ランス)が勝ち越しの3点目。70年の上田忠彦以来54年ぶり2人目の代表デビューから6戦6発で、国際Aマッチ10連勝と白星発進に導いた。

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ビューティフルにチームを救った。中村がアジアにあいさつした。一時リードを許すも、同点に追いついた直後の前半ロスタイム4分、MF南野からペナルティーエリア左角でボールを受ける。DF2人に囲まれるも、意に介さない。右足でゴール右上隅に決めた。

「いや、まあラッキーです。振ったら入った感じ」

昨年3月ウルグアイ戦のA代表デビューから6戦6得点。半世紀以上も前の偉業を54年ぶりに再現した。得意の形で練習を重ねてきた角度。「腰をひねったら(いい形に)持っていける自信はある。力入れすぎないように重心を乗せた」一撃がアジア史に刻まれた。

ずばぬけた決定力を誇ってきた。17年のU-17W杯インド大会ホンジュラス戦で日本人初のハットトリック。高校2年時に飛び級でG大阪とプロ契約を結び、A代表では昨年6月のエルサルバドル戦から実に5戦連発。先発はまだ3戦目ながら9月のトルコ戦で1試合2得点、翌10月のカナダ戦、元日のタイ戦と左サイドから得点を重ねてきた。

吉兆があった。当地入りした後の9日、非公開で行われたヨルダン戦。ここでも決めた。連発中も「まだスーパーゴールを取れていない」と謙遜していたが、この日と同じ角度から沈めた。好感触は残っていた。

連発を意識しない。「ラッキーなゴールが多いし、そこまで持ってくる、みんなのパスの方が難しい」と感謝を重ねるが、この日は2-2から。価値も放物線も文句なしの、敬斗ゾーンからのスーパー弾に「今日みたいなゴールは今まで代表では打てなかった。自分で言うのも何ですけど、いい時間帯に同点になって、ゴールも取れたので、良かった」と笑った。

左サイドには、負傷中の不動のエース三笘がいる。1次リーグの復帰を目指すが、回復具合は流動的。ただし関係ない。「三笘選手が復帰してもしなくても、自分のやることは変わらない。出るか出ないかは監督が決めること。出た時に、ベストパフォーマンスを出せれば」と自身にフォーカスする。公式戦は今大会が初。記録的なデビュー街道を歩む若き職人が、日本の左で存在感を増している。

◆中村敬斗(なかむら・けいと)2000年(平12)7月28日、千葉・我孫子市生まれ。三菱養和ユースから18年にG大阪入り。19年、ルヴァン杯で登竜門のニューヒーロー賞に輝く。同年7月、トゥウェンテ(オランダ)移籍。シントトロイデン(ベルギー)を経てLASK(オーストリア)で昨季31試合14得点。昨年8月に5大リーグのフランス1部スタッド・ランスに移籍。試合では短いソックスがトレードマーク。180センチ、73キロ、血液型A。

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