アジアの次は南米も食うぞ!

 アジア杯で2大会ぶり4度目の優勝を成し遂げたアルベルト・ザッケローニ監督(57)率いる日本代表が1月31日、帰国した。会見で同監督は早くも次の公式戦大会となる南米選手権(7月1日開幕、アルゼンチン)に言及。成長だけでなく結果も追求することを明かし、1次リーグで対戦するアルゼンチンなど、南米の強豪にひと泡吹かせるつもりだ。すでに同選手権に向けた準備にも着手、アジア制覇に続き南米でも旋風を巻き起こす。

 成田空港ではザックジャパンをテレビカメラ50台が待ち受けた。400人以上のサポーターが大歓声で迎えた。関西空港に約4200人が集まった昨年7月、W杯南アフリカ大会の岡田ジャパン帰国時には及ばなかったが、ザッケローニ監督は驚きの表情を浮かべながら、自ら拍手して歓声に応じた。「最高にうれしかった。監督という役職について、間もないですが温かく迎えてくれた。この愛情をチームの源にしていきたい」と話した。

 そんなフィーバーに喜びつつ、指揮官に浮かれた様子はなかった。7月には招待出場する南米選手権を控える。帰国会見で同監督は「結果と成長を追求しながら挑みたい。アジア杯とは全く違ったスタイルのチームと試合ができる。成長を促す意味ではすごく大きな財産になる」と、南米の強豪相手にひと泡吹かせるつもりだ。

 南米選手権は99年にも参加している。トルシエ監督が率いたチームは1分け2敗で1次リーグで敗退した。「招待チーム」のムードもあり、本来の力を出し切れなかった。今回はアジア王者として参戦する。同監督は「対戦国は気を抜いてこない。それをしっかり分かって対応していきたい」と真っ向勝負を宣言した。

 指揮官の強い決意を日本協会もバックアップしていく。昨年末にはスタッフを開催国アルゼンチンに派遣。練習環境などの視察を済ませた。同選手権では1次リーグで10月にホームで撃破したアルゼンチン、コロンビア、ボリビアと対戦する。同協会関係者は「対戦国の情報を精力的に収集分析していく」と話した。

 2月は約1カ月間の長期休暇を取り、今週中にイタリアに戻るが、欧州組の情報収集にも努める。成田空港で同監督は選手たちに「我々はまだまだ強くなれる」と伝えた。アジアを制したザックジャパンが、南米でさらなるステップに挑戦する。【塩谷正人】