Cロナ待ってろ! 鹿島FW鈴木優磨(20)が、ファーストタッチでダメ押し弾を挙げた。後半39分から途中出場。ピッチに立った直後の同40分に、FW金崎の右クロスをゴール前で押し込んだ。すると尊敬するRマドリードのC・ロナルドをまねして、コーナーフラッグ方向に走ると、ジャンプしながら反転して両腕を広げる得点パフォーマンスを披露。世界にその名をとどろかせた。

 「夢生君(金崎)からいいボールが来た。記者の人から(Cロナポーズを)言われていたので、やらざるを得ない状況でした。レアルが決勝に来てくれなきゃ困る。夢みたいだけど現実。今度は(Cロナの)目の前まで行ってやってやる」

 順当ならアジア勢初の決勝は、憧れの人との真剣勝負になる。小学6年の08年12月。横浜でクラブW杯準決勝のG大阪-マンチェスターU戦を観戦した。当時、マンUに在籍したロナルドにくぎ付けになった。「小1でサッカーを始めてから俺はずっとCロナのファン。映像は毎日、見ている」。高卒2年目ながら、堂々とした風貌にビッグマウス。大物の予感を漂わせる楽しみなスター候補だ。

 小学1年から下部組織で育ち、鹿島ひと筋。大阪に縁はないが、ここ吹田Sでは今年2月28日のG大阪戦で公式戦の新スタジアム第1号を決めている。11日の準々決勝マメロディ・サンダウンズ戦でもアシストを記録しており、短い出場時間ながら吹田Sで今大会1得点1アシストと勢いに乗った。「レアルに日本のサッカーが成長しているところを見せる」。怖いものなしの20歳が、決勝戦で世界を驚かせる。【益子浩一】