鹿島FW鈴木優磨(20)が、クラブ世界一とCロナのユニホームの両取りを視野に入れた。クラブW杯決勝Rマドリード戦を控え、16日は横浜市内で調整。練習後は、スペイン紙マルカの単独取材を受けるなど、得点後のクリスティアノ・ロナルドのポーズがきっかけで注目度は増すばかり。優勝と2試合連続得点を宣言しただけではなく、ロナルドとのユニホーム交換にも目をぎらつかせた。

 テレビカメラ5台、スチールカメラ23台、報道陣は外国人を含む約50人。最も注目されたのが、鈴木だった。先月中旬に右に1本、左に2本のラインを入れた新ヘアを、自分で整髪して練習に登場。練習後にはスペイン紙マルカから指名された。Rマドリードの本拠が掲載された紙面を手に撮影後、最後は準決勝で披露したロナルドポーズの要求にも応えた。「取り上げてもらうほど燃える。決勝戦で得点を決めたいし、本人の前で(ポーズを)やりたい」。途中出場が濃厚だが、勝利を引き寄せる1発で、ロナルドを苦笑いさせる場面をイメージした。

 もう1つの野心も抱く。「試合中は敵ですけれど、試合後は一ファン。しゃべりたいとかはない。でも、PKは譲っても、ユニホーム交換だけは絶対に譲らない」。Jリーグのチャンピオンシップ第2戦浦和戦で優勝を決めたPKは金崎に譲ったが、チーム内で話題となった「背番号7」への執念は、誰にも負けない。勝利に向けて浮つくことのないMF小笠原らからの反感も心配される発言だが「満男さんも、俺がこんな感じの方が力を出せると認めてくれている。だからこそ結果を出す責任もある」と語気を強めた。

 前夜は生観戦し、宿舎に帰っても過去のCロナ映像を目に焼き付けた。「まだ肩ならし程度だと思う。決勝では本気の力を引き出したい。すごく楽しみ」。20歳の若武者らしく、描いた夢を有言実行でつかみ取ってみせる。【鎌田直秀】