鹿島の背番号10が世界に「シバサキ」の名前を響かせた。欧州王者のレアルから鮮やかな2ゴールを奪い一時は勝ち越し、銀河系軍団にひと泡吹かせた。

 勝利を信じて戦い抜いた柴崎は、試合後、淡々と振り返った。

 「勝てるチャンスがあったが、相手は延長もいい攻撃を維持していたが、僕らは落ちてしまったのが課題かなと思います。(今大会は)いい大会に出来ましたし、優勝出来なかったのが残念ですけど、また優勝狙える、挑戦できるように頑張ります。ファンの声援は良く届いていましたし、開幕戦から4試合をこうやって大会を終えたことは非常に良かった。感謝しています」。

 1点を追う前半44分。こぼれ球を左足でゴール右隅に決めた。後半7分には中央でパスを受け、左に流れながらシュートコースを作り、角度のないところから左隅に決める技あり弾だった。

 決勝前日会見では「鹿島はほとんどが日本人の編成で試合に出てるのもほぼ日本人。そういう意味でもこれが日本人なんだという、日本という国のアントラーズのフットボールだというのを見せたい」と話していた柴崎。その思いを、チームの意地をピッチで体現した。

 鹿島の初代背番号10、ジーコからは世界一のタイトル奪取へエールをもらっていたが、あと一歩届かなかった。それでもアジア勢初のクラブW杯決勝で見事な準優勝。鹿島が柴崎らの活躍でJ1覇者のプレゼンスをグッと高めたのは間違いない。