3年連続4度目の出場となる聖和学園(宮城)が、初の3回戦進出を果たした。

 後半21分、FW大八木隆斗(3年)が自ら放ったシュートのこぼれ球を押し込んで先手を取った。4分後に追いつかれたが、PK戦ではGK吉田龍生(3年)が3本目をストップ。2人が失敗した相手に対し、4人全員が成功させた。

 創部14年目。ドリブルを前面に押し出した個性的なスタイルは、もはや代名詞として定着した。この日もロングボールはほとんど使わず、CKやFKといったセットプレーでも、直接狙える場面以外はゴール前へ放り込まずにショートパスをつなぎ、個人技で崩しにかかった。

 そんな独自色を貫く中で加見成司監督(44)は「今年のチームには『下手だな』と言ってきました」と振り返る。そして、DF小倉滉太主将(3年)は反骨心が原動力になったことを明かす。「ミーティングでは『史上最弱から史上最強になろう』と言い続けてきました。(加見監督を)見返してやろうという気持ちはありましたし、それが(初の3回戦進出という)今日の結果につながったと思います」。

 次戦は優勝候補の青森山田が相手。1年前は0-5で完敗している。加見監督は「(青森)山田さんから言えば『聖和でラッキーだった』と思ってるんじゃないか、と言っておきます」とニヤリ。小倉も「(高円宮杯U-18チャンピオンシップを制した)日本一の相手に、どれだけやれるか楽しみです」と気合をにじませていた。【亀山泰宏】