駒大高(東京A)が山梨学院に快勝し、2年連続でベスト8に進出した。4得点ののろしを上げたのはDF村上哲(3年)だ。前半7分、左CKのクロスをファーサイドで顔面で合わせ先制し、そこから前半だけで3得点。守備陣もシュート3本に抑え、大野監督が「できすぎ。年に1、2回あるかどうか」と目を細める内容だった。

 文武両道の進学校で、中でも村上は受験理系クラスに所属。中学3年の成績は、5段階評価で音楽、美術、国語以外すべて5で、授業料免除の奨学生として入学した。「サッカーと学業を両立したかった。3年間の授業料免除で、多少、親孝行もできたかな」。2年生だった前回大会も左サイドバックで活躍。部活動以外の時間を勉強に費やし、塾も行かず家庭教師も付けず、文武両道を貫く。全国舞台での初得点に「ニアに動くふりをしたら相手がついてきてフリーになれた。鼻に当たって痛かったけどうれしい」と喜んだ。

 「GMARCH(学習院大、明大、青学大、立大、中大、法大)」を目指し、選手権直後にすぐ受験が控える。「今はとことんサッカーに集中して、選手権が終わったら切り替えます」と、初のベスト4進出と合格通知の2つを手にする覚悟だ。【岩田千代巳】