初めて準決勝に臨んだ東海大仰星(大阪)が強豪青森山田に敗れ、決勝進出を果たせなかった。前半23分に先制されるも、3分後に同点に追い付いた。主将のMF松井修二(3年)が左クロスを右足で直接合わせた。絶妙ボレーシュートで今大会3点目。頼れる主将の1発で勢いを取り戻した。

 しかし、前半41分に勝ち越しを許し、1点を追いかける展開。最後まで諦めずに攻め続けたが、ゴールを割ることはできなかった。

 先制点を奪われたのは、大阪大会と今大会を通じて初めてのこと。中務(なかつか)雅之監督(34)は「選手は(先制点を)取られた後、力のある相手に対して強い心でキックオフを迎えてくれた。全てのことを想定しながら練習している。日頃の取り組みの結果で同点に追いつけた」。

 大阪勢としては43大会ぶりの決勝進出がかかっていた。指揮官は「ファイナルに進むにはいろんな物が備わっていないといけない。簡単に行けるものではないと学ばせてもらった」と涙を浮かべながら話した。

 スター選手はおらず前評判は決して高くなかったが、実力校の藤枝明誠(静岡)、鹿島学園(茨城)を順に撃破。13年度王者の富山第一、準々決勝では前回王者の東福岡と優勝経験校も倒した。試合をこなすごとに成長を遂げた仰星の選手たち。松井主将は「1戦1戦ものにできた。最後まで諦めなかったけど、青森山田の方がコミュニケーションの部分や頭の良さで上だった」。

 悲願の初優勝には届かなかった。それでも、仰星イレブンのひた向きなプレーは歴史にも記憶にも残るものとなった。