愛媛FCのFW河原和寿(30)が、町田ゼルビア戦でチームを逆転勝ちに導く決勝ゴールを決めた。

 後半23分にMF白井康介(23)のゴールで1-1に追いつき、迎えた後半24分。河原は、MF小池純輝の右クロスを右足で合わせて決めた。「前半から繰り返し、うちの右サイド深くを取れていた。何回も右クロスに跳び込んでいくことを狙っていた。信じて跳び込んだので、ボールがこぼれてきて良かった」。

 町田守備陣に、エアポケットのように出来た一瞬のスキを見逃さず、1分間で試合をひっくり返した。得点の場面では、クロスが落ちたゴール正面がスッポリを空き、絶好のゴールチャンスとなった。河原は「相手はクリアすることは出来たと思うけれど、相手がミスしそうな雰囲気を感じた。勘が働いたというか…ラッキーなゴールでしたけど、チームの繰り返しが実を結んだ」と振り返った。

 試合終了のホイッスルを聞くと、笑みより苦悶(くもん)と言ってもいい表情を浮かべた。それほど走り、疲れ切っていた。「勝つことが、すごく難しいことだと実感している。僕らはずばぬけてうまい選手がいないのに勝っていかないといけない。みんなが倒れるくらい走らないと…それが僕の強み」と、しみじみ語った。

 埼玉・大宮東高時代にユース各年代の日本代表に名を連ね、05年にJ1アルビレックス新潟に入団してから12年…河原も30歳になった。新潟時代からの、前線を精力的に走り回るスタイルは健在で、そこに経験を加えたからこそ、1回のシュートチャンスを確実に決めきった。「まだまだ、30歳になっても成長できるということを、僕自身も感じていますし、結果として証明していきたい」と目を輝かせた。【村上幸将】