J2モンテディオ山形は、ザスパクサツ群馬に1-0で快勝し、首位アビスパ福岡に勝ち点5差に迫り、8位に浮上した。前半3分に挙げたFW阪野豊史(27)のホーム3戦連続となる貴重な先制点を、GK児玉剛(29)が好セーブを連発し完封。動物のヤマアラシのような髪形にして試合に臨んだ守護神の踏ん張りで、昨年11月6日の長崎戦から続くホーム不敗神話をクラブ新記録となる11に伸ばした。

 後半残り10分には「決められていてもおかしくなかった。相手を見たら僕が見えていないようだったので。慌てずしっかり対応できればいいかなと。J1レベルだったらボールを流されて決められていた」。威圧感で相手FWの判断を微妙に狂わせ、至近距離からのシュートを体を張ってはじき返した。

 ヤマアラシ風のカットがトレードマークとなっている。ホームゲームでは、必ず春菜夫人(29)にサイドを短く調髪してもらい試合に臨んでいる。容姿も戦闘モードに切り替えて、トレーニングや戦術以外の準備も怠らない。「ピンチが何回もあった危ないゲームを0に抑えられたのはポジティブな要素。昇格するチームは内容が悪くても勝ちきる。それができたことは大きい」。不敗神話を継続させた守護神が、J1昇格へ確かな手応えをつかんだ。【下田雄一】