第2の故郷で再出発だ! 開幕前の負傷の影響で、現在は控えに甘んじているベガルタ仙台MF中野嘉大(24)が、17日のアウェー、サガン鳥栖戦へ向け決意を示した。鹿児島出身も、佐賀東高に越境入学した中野は「自分が成功して、佐賀東の道の先導になる。レギュラーに戻るため、鳥栖戦を頑張りたい」と闘志を燃やす。

 中野のサッカー人生は、佐賀で培われたと言ってもいい。故郷鹿児島県のサッカーは、強豪の鹿児島実に代表されるよう身体能力が重要視される傾向が強い。だが、母校佐賀東には「自由度が高い」イメージがあり、入学を決めた。技術を高め、高校2年時に高校総体と選手権に出場。「全国でも通用すると思えた3年間だった」と大きな転機になった。今年の初めに、恩師である佐賀東・蒲原晶昭監督と会った。「全国のトップを目指す」と気概にあふれていた同監督の情熱に押され、仙台入りへ気持ちを固めた経緯がある。

 高校3年時に県総体、選手権予選の決勝で、鳥栖の本拠地ベアスタに立ったが、ともに敗れており、プロでもまだ勝利がない。しかし「出たらしっかりやりたい」と中野。復活ステージを、“故郷”に錦を飾る舞台とする。【秋吉裕介】