柏レイソルは0-0でヴァンフォーレ甲府と引き分け、連勝は「8」で止まった。首位は守ったが、同一シーズンの90分試合としては07年鹿島アントラーズと並ぶ、J1記録の9連勝はならなかった。日本代表に初選出されたGK中村航輔(22)は、前半18分に相手のミドルシュートを横っ跳びで防ぐなど好セーブを連発。終盤は猛攻を仕掛け、後半のシュート数は相手の3倍の9本放ったが、最後まで1点が遠かった。それでも中村は「ゼロで抑えられたことはプラス材料」と2戦連続無失点に手応えを感じていた。

 連勝こそ止まったが、試合中の中村は随所に自信をのぞかせた。後半14分、左サイドを抜け出した甲府FWドゥドゥと1対1のピンチ。細かなフェイントを入れながらドリブルで迫ってきた相手に対し、微動だにせず真正面で構え、シュートをガッチリつかんだ。

 日本代表が解散となった15日未明には、最後まで先輩GKの川島と膝を突き合わせて話し込んだ。「練習している姿を見て学ぶことが多かった」と、寸暇を惜しんで心構えや技術を習得しようと努めた成果だった。

 「連勝が止まった中でこそ自分たちの力を試される。いつも通り結果を求めていきたい」。文字通り、日本を代表するGKに成長した中村は、早くも1週間後の試合を見据えていた。【高田文太】