J1は今季リーグ前半戦17試合を終え、8日から後半戦に突入する。7位につけるジュビロ磐田は4連勝中。パスミスが減り、攻守が連動してかみ合っていることが好調の要因だ。担当記者が前半戦を振り返り、後半戦に向けてのポイントを挙げた。

 磐田は、8勝4分け5敗の勝ち点28でリーグ前半を折り返した。順位こそ7位だが、現在4連勝中とチームは尻上がりに調子を上げている。17節終了時点での総失点数を見ても、昨季から8点減の15失点。得点数も3点増の24得点と、攻守がかみ合っている。

 好調の大きな要因は「ミスの減少」にある。名波浩監督(44)は、昨季から1本のパスに対する質の高さを常に要求してきた。加えて、今季は元日本代表のMF中村俊輔(39)が加入。指揮官が「腰をぐっと落として丁寧に(パスを)出す」と表現するお手本も加わったことで、チーム全体の意識がより高まった。

 名波監督は「無駄なミスがなくなってきた」。攻守の要ボランチのMF川辺駿(21)も「去年と比べてボールを保持しながら攻撃ができている。その分、前に人数もかけられる。簡単なミスでボールを失わないことで守備の時間も減り、集中して守れていると思う」と、ミス減少がチームにもたらす効果を口にする。

 言葉通り、今季は昨季34試合で7試合だった無失点試合が、既に7試合に到達。攻撃でも、昨季は4人だった複数得点者が7人まで増えるなど、どこからでも点の取れる厚みのある攻撃につながっている。

 一方で、シュート数はリーグ10位の1試合平均約10本。名波監督が、設定する目標の15本には届いていない。5月には、4試合無得点と苦しんだ時期もあった。それだけに、さらなる上位進出に向けてフィニッシュの意識を高めていきたい。【前田和哉】