首位湘南ベルマーレが最下位22位ザスパクサツ群馬から序盤に2点を奪い、快勝した。

 開始29秒、早くも湘南が先制した。MF藤田征也(30)の右クロスを、ファーサイドのFWジネイがヘッド。ゴール方向に飛んだボールを、群馬GK清水慶記と湘南FW山田直輝(27)が競り合い、こぼれ球がDFに当たり、ゴールに入った。藤田は左膝の故障から11日のV・ファーレン長崎戦で復帰し、前節20日のロアッソ熊本戦と途中出場。この日は、3月12日のツェーゲン金沢とのアウェー戦以来の先発出場だったが、精力的な走りと正確なクロスで、序盤から存在感を見せた。

 前半12分、湘南が2点目を決めた。右サイドを攻め上がった山田が、FW端戸仁にパスを出して中央に切り込むと、端戸からの折り返しのパスを右足でゴール左にたたき込んだ。5日の松本山雅戦以来、4戦ぶりの今季3点目を決め、山田は手を突き上げて喜んだ。

 一方、群馬は3-1で勝った5月28日のアビスパ福岡とのアウェー戦以降、2分け11敗と3カ月、未勝利が続く中、3戦連続ゴールと1人、気を吐く元韓国代表FWカン・スイル(30)が先発。前半3分に左サイドを突破すると、中央のMF山岸祐也とのワンツーから右足でシュートを放ったが、枠を外した。

 群馬は、湘南の人とボールが動く湘南の連続攻撃に防戦を強いられた。球際では、時にファウルを取られても、体をぶつけに行き、戦う姿勢を見せたが、苦しい時間帯が続いた。前半40分、元湘南のMF小林竜樹(32)が、巧みな体裁きから右サイド深くにパスを出し、高橋駿太が中央に折り返したが、DFにはじかれ得点機には至らなかった。

 後半は、この日、サポーターに配布された、今季のスローガン「ALL ONE'S POWER (全力)」の文字入りのTシャツで黄色に染まったスタンドに向かって、群馬が押し返した。1トップのカンを軸に小林、山岸、高橋がサイドを走り、攻めた。後半36分にはチーム最多8得点を決めている新人FW高井和馬(23)を投入したが、ゴールを割ることが出来なかった。