首位鹿島アントラーズが最下位のアルビレックス新潟に4-2で勝って連勝を4に伸ばした。前半に2失点したが、後半にMFレアンドロ(24)の3得点などで鮮やかに逆転した。プロ野球セ・リーグで首位を独走する広島と同じく、ベテランと若手が融合。DF昌子源(24)は残り8試合を全勝して2連覇すると宣言した。

 左腕に主将マークを巻いた昌子の口調は、普段より早口で強かった。それほど2点のビハインドを覆して得た勝ち点3は大きかった。「良い経験が出来た。チームとしても、個人としても、キャプテンとしても。これからもっと強くなれる確信を得た」。残り8節で2位川崎Fとは勝ち点6差。「このまま残り全勝で優勝する」と言い切った。

 マークの受け渡しの連係ミスから前半の2失点に絡んでいた。ハーフタイムには大岩監督からゲキが飛び、MF小笠原から「勝ちたい気持ちが新潟の方が出てる。そこで負ける」と言われ、目が覚めた。昌子は「正直、みんなフワフワした感じはあった。最初からやらないといけない」。後半4得点の逆転勝ちにも、20日の天皇杯で対戦する浦和やJ1終盤戦で対戦する上位を意識し、反省を忘れなかった。

 試合前日、昌子はプロ野球の広島と鹿島が「似ている」と言った。「ただのベテランではない、大ベテランがいる。若手とのバランスがとれていることが強さとなっていると思う」。38歳の小笠原は「(昨季引退した)黒田さんみたいに背中で男(おとこ)気みせて引っ張ってくれる」。同じ38歳のGK曽ケ端は「新井さんみたいに、若手からいじられる時もあって雰囲気をつくってくれる」。「ナオ(DF植田)は中心を担っているし(FW鈴木)優磨や(安部)裕葵の活躍が激しい競争を生んでいる」と若手への信頼も口にしていた。

 この日もベテランの言葉に刺激を受け、18歳のFW安部もドリブル突破などで好機を演出するなど鹿島は、しっかりとベテランと若手が融合している。助っ人のレアンドロには“3発”も飛び出した。広島は最下位ヤクルトに逆転負けして優勝はおあずけになったが、鹿島は最下位を退けて勢いを増した。【鎌田直秀】

 ▼ハットトリック 鹿島MFレアンドロ(24)が、16日の新潟戦(デンカS)で達成。今季J1で3度目、通算224度目。鹿島では12年10月6日の東京戦でMFドゥトラが達成して以来、5年ぶり15度目。