ファジアーノ岡山の長沢徹監督(49)は、優勝を決めた湘南ベルマーレを率いた曹貴裁監督(48)を「天に選ばれた人」と、たたえた。また台風21号による暴風雨で24日に水没した、神奈川県平塚市の馬入ふれあい公園サッカー場天然芝グラウンドの復旧作業に、湘南のクラブ関係者、サポーターのみならず他クラブのサポーターらまで駆け付けたことを「サッカー界にとってすばらしい」と称賛した。

 長沢監督は監督会見の冒頭「まず、湘南の関係者の皆さま、おめでとうございますと伝えたい。1、2分ですが時間下さい。優勝を目の前にするのは、相手チームとしては悔しいんですが」と切り出した上で、曹監督への思いを語った。

 長沢監督 曹監督とは、去年は(J1、J2と)リーグが違うので連絡を取っていたんですけど(降格が決まった)去年の今ごろは一番、闇の中にいた。1年後、ここですばらしい姿を見るというのは彼は天に選ばれている人だと思う。次のステップに迎えるために、逆境を用意されている人がいる…それをすごく感じたし、指導者全員にとって、希望の姿を見せてもらって本当に感謝しています。

 次に、馬入練習場の復旧作業に下部組織の選手やその親、サポーターだけでなく、地域の住民や他クラブのサポーターまで関わったことを、サッカー界全体の良い話題として絶賛した。

 長沢監督 湘南はグラウンドが大変だったみたいで、ボランティアの人が駆け付けてくれたのは、サッカー界にとってすばらしい。(話題が)全国に届いた。チームは違うんですけれど、全国の指導者が感謝していると思います。私が言うのもなんですが、すばらしいことだったと思います。

 この日の結果で、J1昇格プレーオフ圏への進出が絶望的になった。それでも、長沢監督は「選手にも言ったんですけど、状況に関係なくファジアーノらしく、前に突き進んでゴールを本質的に目指す、守る…やっとチームが完成したと思う。順位は関係なく、いいサッカーは、ずっと見ていたいサッカーと定義している。勝ち負け関係なく、今日の試合は、ずっと見ていたかったし、完成系として残り3試合をやっていきたい」と前向きに捉えた。【村上幸将】