J1仙台FW西村拓真(21)が18日のホーム大宮戦で「ニューヒーロー」襲名の1発をたたき込む。17年JリーグYBCルヴァン杯で最も活躍が顕著だった選手(23歳以下)に西村が選出され「ニューヒーロー賞」に輝いた。授賞式では、同じFWとして「レジェンド」と崇拝するJ2横浜FC・FWカズ(50)からサプライズの祝福を受けた。キングから授かったオーラを発揮し、ホームで暴れまくる。

 リーグ戦で、ヒーローになる。ベガルタ仙台西村は16日、仙台市紫山グラウンドで行われた紅白戦で、主力組に入ってプレー。大宮アルディージャ戦のスタメン出場が濃厚となった。得点こそならなかったが、持ち前の突破力を発揮し1対1で激しく競り合うなど、好調をアピールした。

 西村 チームが今まで積み重ねてきているものがあるので、相手がどうだとかは意識しない。バランスも大切ですが、チャレンジするところは思い切って勝負したい。先に仕掛けて相手の嫌がることを継続できれば。やってやろうという気持ちはある。

 スペイン(ムルシア)、ドイツ(ケルン)と2年連続でオフシーズンに海外留学を経験。J1残留がかかる相手に、海外で培った個の突破力で、状況を打開していく。

 ルヴァン杯では10試合に出場し2得点。クラブ史上初のベスト4進出に貢献した。3日に都内でルヴァン杯決勝の前夜祭が行われ、そこでニューヒーロー賞の授賞式が行われた。昨年は、今年大ブレークのG大阪MF井手口陽介(21)が受賞しており、次世代スターの登竜門となっているタイトルである。その会場で、自ら「レジェンド」と崇拝するカズと対面。チーム史上初の栄誉に輝き、ワインレッドのスーツに身を包んだカズから「おめでとう」と握手を求められ、気持ちは思い切り高ぶった。

 西村 ものすごくオーラが出ていた。僕にとってはレジェンド的な存在。一緒に写真を撮ってもらいましたけど、格好良かったです。

 富山第一出身で元仙台FW柳沢敦(40=鹿島コーチ)の後輩にあたる。残り3試合、仙台のニューヒーローが、歴代のレジェンドたちも備えている「点取り屋のオーラ」を発揮する。【下田雄一】